174 / 214

ロマンティック・プランク3

「杏里くん、見ているだけじゃもったいないよ」 「あ……、うん。お洒落すぎてちょっとびっくりした……。いただきます」  一粒取り、上品に口に入れていく。香ばしさが彼の中に広がっていく。  その美味しさに思わず笑みが溢れる。  一つの反応も見逃さず、柊は細かな杏里の表情にも気付いていた。 「気に入ってもらえたようでよかったよ」 「うん。柊さんのセンスは俺も好きだし、知らないことがいっぱい学べて楽しいよ。突然呼ばれたのはびっくりしたけど」 「ほんと、突然ごめんね。何だか急に会いたくなっちゃって。今日は金曜日だから大丈夫かなって思ったからつい誘っちゃった」 「ううん。柊さんに会えるのは嬉しいから……」  照れくさそうにそう呟く杏里。最後の方はナッツで誤魔化しながら、聞こえるか聞こえないかという大きさであった。

ともだちにシェアしよう!