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ロマンティック・プランク5
オレンジ色の液体が入ったグラスが杏里の前に置かれる。
普段見かけないような小洒落た形に、杏里は携帯端末を取り出して思わず写真を撮っていた。
「うわー……」
「見てるだけじゃつまらないでしょ? ほら、グラスを持って」
柊はそっとグラスを持ち、杏里に同じように持つように示す。
その姿がきちんと似合っており、杏里は一瞬うっとりと見惚れていた。すぐに彼を待たせるのは申し訳ないと意識を取り戻し、同じように持つ。
「それじゃ、杏里くんと会えたことに乾杯」
「……柊さんに会えて、乾杯」
軽くグラスを鳴らし、ゆっくりと一口含んでいく。
杏里の口にオレンジの酸味が広がっていき、飲みやすさに目を見開く。
「美味しい……」
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