193 / 214
ロマンティック・プランク22
「ねぇ、教えて?」
「っ……食べ終わって、店を出てからでもいいかな?」
「そうしたら、絶対に教えてくれる?」
「もちろん。でも、だからって一気に飲まないでね」
杏里と繋いでいた手が離され、頭へと移動していく。そして優しく撫でていく。
そうされながら、撫でられている当人はコクリと頷き、再びテーブルに置いていたグラスを手にした。
疑いの眼差しがなくなり、ホッと胸を撫で下ろす柊であったが、まだどこか緊張感が抜けきれていなかった。
それを隠しながら口にしていく酒の味は、あまり風味を感じられるものではなかった。
一方の杏里は、自分の言ったことなど頭からすっかり抜けた様子で、柊が手にしないフライの残りを全て食べていた。
ともだちにシェアしよう!