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ロマンティック・プランク37

 再び動き出す合図となったのは、杏里の腹が鳴ってからであった。 「あっ……」 「すっかりこんな時間になっちゃったね。何か食べに行こうか」 「うん」  柊は部屋着から着替えるためにクローゼットへと向かった。  そこから取り出したのは、普段杏里が見慣れたようなきっちりとした服ではなく、ラフな服であった。  自分の荷物を確認していると視界にそれが入ってきたようで、杏里は思わず見惚れていた。  着替え終わったところでそれに気付き、近寄りながら話し掛けていく。 「ん? どうしたの?」 「……柊さん、何着ても似合うなーって」 「ありがと」  杏里の額に軽く口付けをしてから、家の中を確認していく。

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