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ロマンティック・プランク40

 そこから響く優しい声に、杏里の身体が疼く。それはすぐに頬を赤らめることによって表れていた。  そんな杏里の姿に、声が一切出ていなくても柊は察し、心の中で可愛いと思っていた。  徐々に人通りの多い道に差し掛かっていき、すれ違う人も増えてきた。  二人きりのような空間が終わり、人混みに紛れるようにして歩いていく。  他愛もない会話をしながら歩いている二人は、傍から見れば友人同士が歩いている光景である。 「俺、このあたりに来ることほとんどないけど、お店がいっぱいあっていいね」 「便利だと思ってここにしたんだ。ちょっとした買い物なら十分だよ」 「へぇー。お金が貯まったら引っ越そうかなー……」 「僕の家に?」 「そっ、それは、まだ……」 「残念。僕はそれでもいいって思ったんだけど」  ダメかな、と笑顔を向ける柊。

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