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第一章・4
細かい文字がびっしり並んだ契約書には、ほとんど目を通さずにサインしてしまった蓮。
そうすると、すぐに五木はスマホを取り出した。
「ちょっと、顔を撮らせてもらってもいい?」
「どうぞ」
蓮の画像は、すぐにどこかへ転送されていた。
「スタッフとね、スポンサーに送ったのさ」
今度、こんなに素敵な子が仲間になりましたよ、って。
仲間、と聞いて蓮は頬を染めた。
嬉しかった。
誰かと一緒に、何かを成し遂げる。
そんなシーンに、憧れた時もあったのだ。
「おっと。さっそく反応が」
真っ先に返信してきたのは、意外なことにスポンサーだった。
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