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第一章・6
「すっかり信頼してたのに……」
海辺に張られたテントの中で、蓮は呆然としていた。
蓮に渡された、撮影用のスイムパンツ。
それは、まるでゴムのように伸縮する、薄い素材でできていた。
しかも、白。
身に着けると体にぴったりで、性器周りの凹凸が嫌でもセクシャルに浮かび上がるのだ。
「これで水に濡れると、透けちゃうよね。きっと」
僕、だまされた!
五木さんは、エッチのクリエイターだったんだ!
「蓮くん、準備できた?」
「五木さん、これって……」
「お、似合う! すっごくセクシーだよ!」
褒められても、嬉しくない。
だが、契約書にサインしてしまったからには、一つくらいは仕事をしないといけない。
これだけやって、すぐに辞めよう。
そんな気持ちで、蓮はテントから出た。
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