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第六章 愛してます

 目覚めたのはほぼ同時だったが、動きが速いのは巴だった。 「ごめんなさい、巴さん。僕……」 「気にしないで、ゆっくりしているといい。体が重いんだろう?」  昨夜は、激しく愛し合った。  受け身だった蓮の方が、体がきついだろうことは、巴にも想像がつく。 「いいから、シャワーを浴びてきなさい」 「すみません」  そして、ふらふらとシャワーを浴びてバスルームから出て来た蓮を待っていたのは、素敵な朝食だった。  フレンチトーストに、ポーチドエッグ。  フルーツヨーグルトに、カフェオレに、グリーンサラダ。 「すごい。これ、巴さんが!?」 「独身が長いのでね、慣れてるんだ」  おいしいおいしいと、蓮は巴が用意した食事を食べてくれる。 「蓮、口元にパン屑が付いてるぞ」  それを取って、自然な所作で食べてしまう、巴だ。 (何だか、僕たちって) (何だか、私たちは)  恋人同士みたいだ。  二人同時に、頬を染めた。

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