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第8話 夢ならよかった

 俺は、下半身だけ服を剥がされ、ベッドの上でうつ伏せにされ、尻を高く上げさせられていた。  また腹の中を綺麗にされたあとにこれである。  身体がきつい。つうか眠気もある。疲労感がひどい。  なのに千早は、容赦なく俺の尻に黒いディルドを突っ込んだ。 「さすがに緩くなってるから、Mサイズが余裕だな」 「ン、あ、あぁ……」  ディルドは玉が三つ連なっていて、入れば入るほどその玉は大きくなっていく。   「ほら、全部飲み込んでるぜ、琳太郎」 「そんな、こと言わなくて……あぁ!」  くぽ……と、ディルドが抜かれ、ゆくっくりと奥まで差し込まれていき俺は声をあげた。 「ちゃんと拡げないとすぐ元に戻るから、琳太郎、家でもやれよ? それとも、ここに住むか?」  笑いを含んだ声で言い、千早はディルドでぐりぐりと中をかき混ぜるように動かした。 「あぅ……あ、あ、あ……」  ここに住むなんて冗談じゃないし、家でこんなことなんてできるわけない。俺は実家住まいだ。  心の中で文句をつけながら、俺は尻を揺らしていた。  こんな事、したいわけじゃないのに身体は反応してしまう。  やるならもっと気持ちよくなりたい。   「琳太郎」  名を呼ばれたかと思うと、ディルドを引き抜かれてしまった。 「え……?」 「琳太郎、自分で入れてみろ」  千早に右手を取られ、ディルドを無理やり握らされてしまう。  黒いディルドにはゴムが被せられていて、それがぬらぬらと濡れているのがわかる。  え、何。これ、自分で入れろって?   「ち、千早……?」 「自分で拡げなくちゃなんだから、練習しないとだろ? ほら、やってみろよ」  千早の声には、人を従わせる力がある。  俺は戸惑いながらディルドを尻に持っていき、先端を後孔の入り口に押し当てる。  本来、固く閉じているはずのその穴は、パックリと、口を開けているらしく、容易にディルドの先端を飲みこんでいく。 「あ、あぁ……」  俺の尻は、やすやすと二個目の玉を飲み込み、三つ目の玉も入りきってしまう。  まじかよ嘘だろ?  こんなに簡単に入るなんて。 「今度は動かしてみろよ」  言われるままに、俺はディルドを少しずつ動かしてみた。  動かすたびにディルドの玉の凹みが中でひっかかり、甘い痺れが生まれてくる。  こんな事して気持ちいいと感じるなんてどうかしてる。  しかも、千早が見てる中で。 「ははは、入ってるところ全部丸見えだぜ? ディルドを美味しそうに飲み込んでるじゃないか」  言葉で煽られ、俺は顔が紅くなっていくのを感じた。 「んん……あ、あ……」 「素質あるんだろうな、お前。これ咥えこんでるんだから。すぐにこれよりもでかいの入るようになるよ」 「だって……お前が……中に入れたりしたから……あぁ!」  前触れもなく半だちになったペニスを急に握られて、俺は思わず声をあげた。 「感じてるじゃないか。ここ、全然触ってないのに。後ろの穴弄ってるだけで、こんなに勃起するのかよ?」  感じてなんていない。  そう言いたいのに、俺の手は止まらず本能がさらなる快感を求めだす。  とはいえ、二度抱かれるわ慣れないことばかりをさせらるわで、俺の身体が疲労を訴えているのも事実で。  俺はディルドを挿したまま、腰を落とし息をついた。   「千早……もう、むり……」  腕も疲れたし、眠気も襲いかかってくる。 「そうだな、琳太郎。少し、無理させたかもな」  言葉とともに、手が俺の頭に触れる。 「お休み琳太郎。いい夢を」  耳元で囁かれそして、俺はそのまま眠りに落ちていった。  いい夢か。  これ、夢じゃないんだろうか?  今日の出来事は余りにも現実離れしていて、すべて夢なんじゃないかと思う。  ただの一般人(ベータ)である俺が男の相手をするなんて、夢じゃなければ妄想かなにかだろう。  千早は友達だ。  なのに番の身代わりになれと言われて、されるがままになってしまって。  ……夢じゃないんだな。千早がアルファなのも、宮田がその運命の番のなのも、俺が、抱かれたのも。  見るなら幸せな夢がいいな……  皆、夢であったらほんと、良かったのに……

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