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3.特等席で※

衣服を緩めてまずは呼吸を楽にしてやる。抵抗する気力すらないのか、なされるがままになっていて相変わらず反応しない。壁との間に自分の身体を差し入れて、ディケンズを背中から抱きこんでやる。 本当に体温が高い。あまり放っておくと拙いかもしれない。 「治療だと思って任せておけ。こういうのは得意だ」 言っていることを理解したのかしていないのか。結局僕に身体を預けたままだった。 上も息がしやすいようにシャツのボタンを外して胸元を開けてやり、下のパンツはモノを取り出しやすくするために少しだけズラしてやる。この行為の間も反応はない。 ディケンズ自身を取り出してやると、そこは具合が悪いはずなのに膨れ上がっていた。やはり限界が近かったようだ。これでよく我慢などできるものだ。 「……ック…」 小さく声が上がる。ビクリと肩が揺れた。優しく上下してやると、堪えきれない熱い吐息が漏れ出してくる。本人は意識が朦朧としていて、今どういう表情をしているのかも理解していないのだろう。こんなところは一度も見たことがない。それをこの特等席で独り占めしていると思うと、愉悦で堪らなくなる。こちらまで少し反応してきてしまった。 「ァ……」 小さく声を漏らし、あっさりと果ててしまった。他人の手で触られるのもあまり経験がなかったのかもしれない。肩を上下させているが、相変わらずこちらに身体を預けたままぐったりとしている。 しかし、一度出たくらいでは欲望はおさまっていない。本当にいつ以来この状態のまま耐えていたんだろうか。快楽主義の僕からしたら信じられなかった。 粘ついた白濁をワザと擦りつけて、音が出るように強めに擦ってやる。朦朧としている割にはビクンビクンと身体が跳ねた。 「…ハッ…っ…」 「…何だ、良い声で啼けるじゃないか。もう一度出しておいた方がいいんじゃないか?」 「…っるさい…さっさと…終わらせ……」 「ハハ!随分と素直に煽るじゃないか。僕も堪らなくなってきたんだが、どうすればいいのかな?」 「――ッ!」 反射的に反応を示したディケンズの臀部にグリ、と己のモノを押し付けると、拒絶するように腰が跳ねた。 (実はそっちの才能があったりするのか?この仏頂面が?) つまらないヤツだと思っていたが、少し興味が沸いた。 「なぁ、挿れないから。足の間に挟んでいいか?僕も耐えるのは辛い」 耳元で声を掛けると、吐息がこそばゆいのかまた身体が反応を示してピクリと動いた。具合が悪い方が実に素直で分かりやすい。僕も自身を取り出し、力が入らないディケンズの太腿の間に差し入れた。それでも逃げようともしない。快楽に流されているのか、それとも意識はとうにないのか。文句の1つすら、もう、聞こえてこない。 ディケンズのモノと自身を一緒に擦り合わせて、お互いで高めあっていく。 「ァ……ッくぅ……ハァ…」 「…フッ……そろそろ、イケそうだ…っ…!」 「………っぁ……っ……、…」 ディケンズが声を押さえるように手首を噛んだ状態で2度目を迎えると、今度は本当に意識を失ってしまった。自分に全ての体重を押し付けて、カクンと糸が切れたように両腕がだらりと床に落ちた。それと同時に自身も精を吐き出していく。なかなか愉しい余興に、身体が悦んで震えていた。ニヤけてしまうのが堪えきれずに、声を上げて嗤う。 出したとはいえ、熱が直ぐ下がる訳でもないだろう。 余韻に浸ってから、ディケンズの身体を丁寧に拭いてやり、部屋も適当に後始末はしておく。後で何かバレたら大変だ。この部屋は最奥で、隣も今は空き部屋のために近くに誰もいないのが幸いだったが。でなければ少しやりすぎだったかもしれない。 薬は口に咥えてディケンズの口内へと落とし、その後水を含んで口移しで与えてやる。 何とか上手く飲ませてやってから全て着替えを済ませ、デカい身体を引きずるようにしてベッドへと寝かしつけた。 「……僕がこれから構ってやるから。安心して休め」 静かになってしまった室内で1人で笑う。ディケンズが自分を欲するところを想像すると、また欲望が沸いてきてしまいそうだった。

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