何も言わない僕に焦れたのか、リューの方から距離を縮めて僕に迫ってくる。 これが本当に僕を求めているのなら、喜んで受け入れるのだが。本心ではないのだろう。 「……アルヴァーノ？」 「あぁ、ごめん。何でもないよ。折角起きてもらったから、キスしようか」 リューに顔を近づけて唇を重ねる。いつもは少しカサついているはずなのに、リューの唇はしっとりと濡れている。僕の指を舐めていたせいだろう。僕の言うがままに、素直に舌を出して、絡ませて、口腔全てを蹂躙されても、リューは反抗しない。むしろ、強請るように深く絡ませようとしてくるくらいだ。 「……ッ、……ァ……」 「イイ感じみたいだね、僕も、気持ちいいよ？」 最後に舌に吸い付いて、グッと引き寄せてから開放してやる。飲み込みきれなかった唾液が口の端から流れたので舐め取って綺麗にする。視線を下方へと向けると、リューのすっかり立ち上がった肉棒がユラユラとゆれて僕を誘う。今にも弾けそうになった先は蜜でたっぷりと湿っていて、待ちきれないと訴えているようだ。 「どうしようか？コッチも凄く惹かれるけど……もう少し我慢できる？」 「…っぁ！」 ツンと指先で触れただけで自然と声を漏らす。呼吸は相変わらず苦しそうで、熱に苛まれているようだった。 「凄い……っていうか、効果強すぎるんじゃないの？これ、リューじゃなかったらもっと大変なことになってたね。ある意味討伐して良かったのかも」 「……っふ…、…ぅ…」 汗ばんだ肢体を撫でるだけで、苦しそうに喘いでいる。常人だったら気が狂いそうなほどの快楽にでも襲われているのだろうか？固く閉じていた瞳は、僕が動かないことに焦れたのか薄く開いて僕のことを緩慢に見上げてくる。開いた時に流れたのだろうか、生理的な涙がリューの頬を伝う。 「泣いてるの？」 頬に舌を伸ばして涙を舐め取っても、リューは喋らない。逆に唇を噛みしめてプツ、と切れた唇から血が流れていく。 「ダメだよ、そんなに噛んだりしたら。揶揄ったりしないから、噛みしめるなって」 優しく唇を舐めながら、頭を撫でる。抵抗する気力も残っていないのか、為されるがままに僕に身体を委ねているリューを見ていると、身体の奥底からゾクゾクしてきた。 「参ったな。余裕ぶってリューを気持ちよくさせてあげたいところなんだけど……僕にも余裕がないみたいだ。いくら媚薬のせいだからって、こんな真逆の姿を晒されたら、ねぇ？」 あまり聞こえてもいないだろうリューの耳元に言葉を吹き込んで、舌を添わせて耳朶を喰む。小刻みに身体を震わせて必死に吐息を逃している姿が、最初の頃に見た姿と重なって嗜虐心を煽ってきた。ゆっくりと唇を離して、リューに微笑みかける。 「やっぱ、感度良すぎ。ということは、こっちを刺激したらイクんじゃない？」 左手を滑らせて胸の突起を摘み上げ、右の突起は唇で咥えてみる。予想通り、リューは身体を跳ねさせて、あっさりと果ててしまった。 「っぁ！ぁ………」 「遠慮しないで、もっと声も上げていいんだよ？その方が楽じゃない？」 突起を弄りながら、口の中でもう一方の突起を転がして刺激する。どちらも赤く色づいて固くなってくるが、リュー自身はその度にビクビクと白濁を流し続けている。それでも一向に萎えず、硬度を保ったままだ。 「これくらいじゃ媚薬の影響下から抜けられないのか……？本当に厄介みたいだな。僕はいいけど、リューは大丈夫？」 「……はぁっ、はぁっ……」 リューは答えない。見た感じは大丈夫そうには全く見えない。文句すら言えないくらいに辛いみたいだ。 「身体の反応が敏感なのはいいけど、リューの反応が薄いのが勿体ないな。僕のこと見えてないみたいだし」 ヒラヒラと戯れに顔の前で手を振ってみても、薄く開かれたままの瞳は辺りを彷徨うばかりで、視点が定まっていない。本格的に熱にやられてしまったみたいだ。 「どうしようか……もっと出せば意識が戻ってくる？」 前と同じように、自分が後に回ってリューを抱き込んでからリュー自身を優しく握り込んでまずはゆっくりと擦ってみる。 「……っ、ぁぁっ」 「うん、触ってるよ？もうヌルヌルしすぎて困るくらいだけど」 「ン、っ……ッ、う――」 「だから、ここまで来て我慢するなって。素直に感じて出さないと」 鈴口をグリ、と親指で潰すと、ビュクっ、と何度目か分からない射精をする。出している間もくぐもった声が小さく漏れているが、タガを外せないのか、身体は全く満足できていないようで、萎える気配がない。 「擦るだけじゃ足りないか。じゃあ……同時に弄ってみるよ？」 リューの尻を少し浮かせて、後孔に指を触れさせる。リューにとっては未知の場所なのだろうが、今は触れただけでヒク、と誘い込むように反応する。リューの蜜を擦りつけて、優しく慣らしていくと、少しずつ窄まりが僕を受け入れていく。 「…ん、くぅ……」 「そうそう、力は抜いて。今、1本目を挿れているところだから……下手に暴れると傷つけちゃうから、大人しくしてろよ」 （この辺りに……あぁ、ココかな？） 言い聞かせるように話しかけながら少し力を込めて指で中を叩くと、ちょうど前立腺に触れてリューが大きく身体を震わせる。 「ヒッ！？」 「うわ、普段絶対出さない感じの声。これ、正気に戻ったらどこまで覚えてるんだろう……俺、殺されたりしないよな？」 トントンと何度も叩いてやると、同じように律動して白濁がコポリと溢れ落ちていく。中をゆるゆると広げるように動かしてから、指の本数を増やして後孔へと差し入れる。 「……ック、…っぅ……」 「うん。大丈夫そう？コッチ触られるのは嫌か？でも、両方同時の方が気持ちいいと思う。リューもさっさと終わった方がいいだろう？」 増やした指で中を擦っていくと、口をパクパクとさせて声にならない声を上げる。グニグニと壁を広げるようにしていると、だいぶ解れてきて僕の指を締め付けるくらいになってきた。