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13.同意はないけれど※

完全に受け身なリューは僕の好みかと思っていたけれど、そうでもないらしい。見ている分には愉しいのだが、空っぽの状態では征服感もないしやはりつまらない気がする。 それでも、普段見せない表情で存分に感じるリューは、見ていてそそるものがあるのだけれど。 「…ぁ……」 「そんな名残惜しそうな声を出すなって。指でも反応は良かったけど、僕のことも受け入れてくれる?」 指を優しく引き抜いてから、身体を支えてリューをゆっくりと寝かせる。相変わらず濁ったままの瞳は僕を見ていない。諦めて額に唇をそっと落としてから、僕も自身を取り出してリューの後孔へとあてがう。 「準備はいい?じゃあ、最初はゆっくり挿れていくから」 リューの両足を持ち上げ、腰をゆっくりと進めていく。ツプ、と先が埋まると、リューは無意識で驚いて逃げようとする。 「痛くしないようにするから……逃げないで。お前ならできる」 「ぁ、ぁ……」 熱く吐息を逃すリューは、僕の言葉が聞こえたのか抵抗をやめて大人しくなる。その隙に僕は中への侵入を試みる。だが、すぐに内壁が僕を捕まえて力を込めてくるので、途端に動きずらくなる。 「っくぅ……リュー、力入れすぎ。逃したくないのは分かるけど、動けないから力抜いて。いい?ゆっくり息を吐き出して、深呼吸」 「……ふ…ぅ…」 指示に従って息を吐き出したので、締め付けが緩くなる。僕も息を逃して、リューの中へとより深く、差し込んでいく。 「……ぅ、ぁ……アァ……」 「せま……やっぱ、初めて?まぁ、これは緊急処置っていうことで。次はリューの心ごと、気持ちよくしてあげるから」 丁寧に進んでいき、僕も漸く全てをリューの中に沈めることができる。本当はこの熱さに任せて思い切り突いてしまいたいけれど、今のリューに対してするのは何だか気が咎めた。 「おかしいな……いつもの僕だったら、問答無用で僕を求めてもらうように仕向けてる。それなのに、何か遠慮してる感じ。リューって反応が薄いと思ってたけど、アレはアレで反応なんだな。それに比べて……今のお前は人形みたいだ」 髪を整えるために顔に触れるだけで、真っ赤な顔で擽ったそうに顔を背ける。拒否をされているみたいで切なくなって、両頬を手で包んで無理矢理に僕の方へと向かせた。 熱に浮かされた瞳は潤んだままで、時折ツゥっと涙を落とす。埋めたままで動かない僕に焦れているのか、リューの身体は素直に物欲しがって、僕の腹にグイと自身を擦り付けてくる。 「動いてあげるけど、せめて僕の名前を呼んでくれない?それとも……そんな意識さえなくしてるのか?」 「……ぁ…」 「……うん」 「……ア…アルヴァー、ノ……」 途切れ途切れだが、僕の声が耳に届いたのか。微かな声で僕の名を呼ぶ。 「あはは。名前、言いにくいか?アリィでも、ルヴァーでも。好きに呼んで?リューだって、リューライトだしね」 こんな状況なのに少し笑ってしまう。でも、リューは相変わらず苦しそうなままだ。やっぱり早く開放させてあげたほうが良さそうだと判断して、僕は注挿を再開させた。まずはゆっくりと探るように、トン、トン、と軽く叩いてみる。 「……っ、く…」 「あぁ……ホント、あっついね。リューのナカ。どうしよう、さっさと終わらせた方がスッキリするのか?でも、僕も少しだけ愉しんでもいい?」 ズリュ、と音を立てて一旦ゆっくりと引き抜いて、物足りなさそうなリューの双丘を掴んでズブリと一気に突き立てた。 「…ア、アァっ!!!」 「こんなに声張ってるの聞いたの、初めてかも。じゃあ、もうちょっと動くから。力抜いて」 宣言してから僕は改めて上から腰を打ち付けていく。洞窟内に、パン、パン、という乾いた音が響き、時折苦しそうなリューの嬌声が混じる。身体全体が汗ばみ、色づいているのが妙に艶めかしい。普段のリューを考えたら、同一人物とは思えないくらいだ。 それでも僕が今まで相手をしてきた人たちに比べたら、まだまだ乱れていない方なのかもしれない。 「リュー、気持ち良いか?もう一度、イケば楽になるだろうから。我慢せずに、快楽に身を任せろ」 「……ぁ、あ…っぅう……」 「そう、そう……イイ感じ。僕も、熱くて……堪んない、から……」 「……ン、ぁ…、あ……」 荒く呼吸を逃しているリューの瞳に僕が映る。きっと見えていないんだろうと思ったのに、何故かこちらを見ている気がして、激しく腰を打ち付けながら、ジッとリューを見つめる。 「………、ア……」 「……え?」 「アリィ……」 小さな声だったが、呼吸の合間に僕を呼ぶ声がした。驚いたのと同時に強めに奥を叩いてしまう。リューの全身が跳ねて、ガクガクと震えだす。 「アァァッっ!!!」 一際大きな声を上げると、身体を仰け反らしてリューが先に果てる。勢いよく白濁をぶちまけて、僕の服をドロドロに汚していく。遅れて僕も最奥で弾け、熱い欲望をリューへと全て注ぎ込む。その奔流が落ち着いたところで自身を引き抜くと、収まりきらない白濁も一緒に流れてリューの双丘と後孔を汚していく。 「一緒にイクつもりだったのに……リューのせいでズレたし。そんなに切なそうに名前を呼ばれるとは思わなかった。予想外すぎる」 「……はぁっ、はぁっ……」 先程、名を呼んだのは偶然なのか、無意識なのか。今はただ行き場のない熱さを逃そうとしているだけだ。リューの両足を静かに下ろして上から覗き込む。 「満足した?もう1回しとく?」 「……」 答えてくれないが、リューは萎える様子がなく硬度を保ったままだ。僕は舌舐めずりをしながら、タイを緩めてシャツのボタンを外していく。 「これは……僕も本気を出さないと満足してもらえないらしい。フフ……戦闘よりコッチの方が得意だし、任せてもらおうか」 リューを横向きに転がして体位を変え、僕も素早く服を全て脱ぎ去ってしまうと、再びリューの身体を貪っていく。 こうなれば、リューが動けなくなるまでとことん付き合うのみ、だ。

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