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第9話 初めての種

 種をもらうとき、ちゃんと準備をすれば大丈夫だよとモクレンが教えてくれた。モクレンが言うとおりに準備したら、お尻に雄の証が入っても痛くないらしい。  それを聞いて僕はホッとした。だって、モクレンの雄の証は僕のよりずっと大きいんだ。卵よりは小さいけど、卵を産んだときみたいに痛かったらどうしようって心配だった。でも、モクレンが大丈夫っていうならきっと大丈夫。 「これを使えば大丈夫だよ」 「これ?」  お風呂から出てベッドの上でゴロゴロしていたら、モクレンが瓶を持って来た。受け取った瓶は見たことがない形でとても軽い。ゆらゆら揺らしたら中身が揺れたから、入っているのは液体だ。 「これは、お尻におちんちんを入れるときに使うものだよ」 「そんなものがあるなんて知らなかった」 「この世界には必要なさそうだからね。まそらも分泌液が増えたら必要なくなるんじゃないかな」 「ふぅん」  よくわからないけど、モクレンがそう言うのならそうなんだと思う。 「一人部屋のはずなのに、どうしてローションもゴムも用意されていたのかわからないけど今回は助かった」 「ろうしょんとごむ?」 「ううん、なんでもない。さて、さっそく使ってみようか」 「わかった!」 「じゃあまず、両手で水をすくうときみたいな形を作って」  ベッドに座ったまま、モクレンに言われたとおり両手を出す。水をすくうみたいな形にした僕の両手に、モクレンが瓶を傾けてとろ~っとした中身を出した。 「とろとろだね」 「トロトロだと痛くなかったでしょ?」 「あ、指で調べたときのやつか」  とろとろの食べ物は知っているけど、そうじゃないトロトロは初めて見た。おもしろいなぁって見ていたら、手の隙間からトロトロがとろ~っと膝の上に落ちた。 「それを手につけたまま、俺のおちんちんを擦ってみて」 「モクレンのを?」 「そう。まそらは手が小さいから、両手でね」  前にお風呂で触ったときにはだめだって言ったのに、今日はいいんだ。どうしてかよくわからないけど、目の前にあるモクレンの雄の証を見た。 「僕のより大きいね」 「体の大きさが違うからね」 「そっか」  僕とモクレンは、お風呂から出たあと寝間着もパンツも着ていない。二人とも裸のままで、ベッドの上で膝立ちになったモクレンの雄の証は座っている僕の目の前にある。お風呂のとき下を向いていた雄の証は、いまは少しだけ上を向いていた。 「じゃあ、触るね」  両手にトロトロを付けたままモクレンの雄の証に触った。 「うわぁ、大きくなった」  ティタンやスルトほど大きくはないけど、僕のよりはずっと大きい。いろんなお父さんたちのも見てきたけど、その中でも大きいほうだと思う。 「優しく擦ってみて」 「こう?」 「ん……いい感じ」 「気持ちいい?」 「うん」  よかった。僕はモクレンに言われたとおり太い雄の証を両手でぬるぬる擦った。 (そういえば、お母さんもこういうことしてたっけ)  お母さんは先っぽを触っていた気がする。お母さんがお父さんたちのを触っていたときのことを思い出しながら、先っぽをクニュクニュいじってみた。そうしたら、大きかった雄の証がもっと大きくなった。 「んっ」  聞いたことがない声にびっくりして、雄の証を擦りながらモクレンの顔を見上げる。 「モクレン、気持ちいい?」 「とても気持ちいいよ」  目を瞑ったモクレンのほっぺたが少しだけ赤くなっている。口も少しだけ開いていて、さっきからハァハァって息も聞こえていた。そんなモクレンを見ながら雄の証を擦っていたら、なんだか僕の雄の証までムズムズしてきた。 「まそら、このままお尻、上げてみて」 「このまま?」 「そう、俺のを擦りながら膝をついて、腰を上げて……そう。それから少し足を開いて」  モクレンのを擦りながら体を動かすのは難しかったけど、なんとかお尻を上げることができた。言われたとおり足を開こうとしたら倒れそうになって、おでこがモクレンのお腹にぶつかってしまった。 「まそらの準備もしようね」 「準備? ……ひゃっ!」  お尻にトロトロをかけられてびっくりした。 「あぁ、こういうときも羽、パタパタ動くんだ。かわいいなぁ。さぁ、もう少し腰を上げて」 「うん……ん、んっ!」  今度はトロトロの指がお尻の中に入ってきた。中を調べるときにも入ってきたけど、あのときよりも太い気がする。 「ねぇ、太い指が、入ってるの?」 「痛かった? お風呂でお尻洗いながら少し解しておいたから大丈夫だと思ったんだけど」 「痛くは、ないよ。太いなぁって、思っただけ」 「二本入ってるけど、痛くない?」 「痛くない、けど、ちょっと変、かな」  調べたときより太いからか、最初からお尻の中が変な感じがする。でも、痛くはない。 「じゃあ、前立腺いじってみようか」 「ぜんりつ、ひゃぅ!」  言い終わる前にお尻の中がビリビリして変な声が出た。これって、調べるときに変になったところだ。 「モクレン、そこ、変だから、触んないで」 「でも、気持ちよかったでしょ?」 「でも、変だか、りゃっ! だめ、変って、ひゃふ!」 「気持ちよくなろうね」 「やだ、へん、そこへん、ひゃ! モクレン、だめ、ひゃあ! だめ、だめだってぇ!」 「大丈夫、トロトロになってきた。それに……うん、分泌液も少しずつ出てる」 「だめ! そこ、だめだってば、ひゃう! ひゃっ! だめだめ、いじんないでぇ!」 「感度良好っていうより感度抜群だ。これも成熟した証ってことなのかな」 「ねぇ! だめって、モクレン! そこ、へんだって、ひゃあ! ひゃふ! ひゃん!」  モクレンの雄の証を擦ることなんて無理だった。お尻の中が変で、でも気持ちがよくて、僕はモクレンに必死にしがみついた。そうしないとゴロゴロ転がってしまいそうだったんだ。 「そこ、だめだってぇ!」  何度もいじらないでって叫んだ。これ以上いじられたらお尻が変になってしまう。もしかしたら壊れてしまうかもしれない。  それなのにモクレンの指はどんどん中を押して、押して押して、ついにビリビリがビリビリビリッ! って大きくなった。ものすごいビリビリがお尻の中に広がって、お腹の中がゾクゾクしてブルブルしてくる。 「だめぇ!」  モクレンにしがみつきながら大声で叫んだ。それでも指はグニュグニュ動いて、お尻の中がビクン! って震える。そのまま何回もビクンビクンって震えて、僕の雄の証からまた白い種が漏れてしまった。 (……今回も……すごかった……)  あんなにやめてほしかったのに、種が出たらまたしてほしい気持ちになる。ビリビリして大変なのに、またしてほしくなるって何だか変だ。 「ほっぺたにローションがべっとりだ」 「ん……っ」  必死にモクレンの腰にしがみついていたから、モクレンの雄の証に付いていたトロトロが僕のほっぺたにべっとり付いてしまった。モクレンがタオルで拭いてくれたけど、ほっぺたを触られるだけで体のあちこちがゾワゾワする。 「これからが本番だけど、大丈夫?」 「ほんばん……」 「今日はやめておく?」 「やだ……。たね、もらう」 「無理しなくても、いつでもあげるよ?」 「いまが、いい……」  せっかく準備ができたのなら、いまほしい。早くモクレンの種がほしいって、どうしてかすごく思った。 「じゃあ、ベッドに仰向けに……って、仰向けに寝ても平気? 羽は痛くない?」 「へいき……。ぼくの、ちいさいから」 「そっか。じゃあ仰向けに寝てから、両手で足を持って。そう、膝の裏を持って、おちんちんとお尻を俺によく見せて」 「……これで、いーい?」  言われたとおり足を持って、グイッとお尻を上げてモクレンに見えるようにした。さっき気持ちよくなったせいで足も手も震えたけど、早く種がほしいからがんばってお尻を上げ続ける。 「ねぇ、これでたね、くれる?」 「本当にまそらは……」  何か言われた気がするけど、よく聞こえなかった。ちゃんと聞かなきゃと思って足の間からモクレンの顔を見る。そうしたらニコッと笑って、それからお尻の穴がぐわっと広がった。 「ひゃあ!」 「ちょっとほぐしただけでここまで柔らかくなるなんて、やっぱり産卵器官を兼ねてるからかな」 「ひゃう! ひゃっ! ひゃ、ひゃっ!」 「こんなにトロトロになって……。狭いのに、奥までずっとトロトロだ」 「ひゃぅん!」  太いものがズンズン奥に入ってくる。奥に入ってくるとお腹がいっぱいになったみたいで苦しいのに、段々気持ちよくなっていく。 「さすがに、産卵道のほうはまだ無理そうだね」 「ひゃぁ! ひゃぅ!」  気持ちがよくていろいろわからなくなってきた。どうしよう、お尻が気持ちよくてブルブルする。 「たぶん、産卵道の中に先端を入れて射精しないといけないんだろうけど……。さすがに、まだ固く閉じてるか」 「ひゃん! はうっ!」  奥をトントンされると、気持ちがよくて変になる。どんどん、どんどん変になる。 「あぁ、でもすごく、気持ちがいい」 「ひゃぅ! ひゃっ! もく、モクレン、モクレン!」 「ん? 痛い?」 「ちがう、そうじゃなく、てぇ! へん、なの! おくが、きもち、ぃくて、へん、にっ、なるぅ!」 「ははっ、すごい殺し文句だ。初めからお尻で快感を得られるなんて、まそらはえっちな子だなぁ」 「だって、きもちい、から! ひゃふ! ひゃっ!」 「ん、俺もすごく、気持ちいいよ」  気持ちいいってモクレンの声が聞こえたら、お尻の奥がキュンキュンした。そうするともっと気持ちよくて頭の中がぐちゃぐちゃになる。 「まそらの中に、種、出していい?」  モクレンの声がすごく近くから聞こえた。少しだけ目を開けたら、どうしてか顔の近くに僕の足があった。  さっきから苦しいのは、僕の体が折りたたまれた状態だからだ。そんな僕をモクレンがぎゅうぎゅうに抱きしめている。同じくらいお尻がグーッと押さえつけられているのも苦しい。だけど、僕のお尻の奥はキュンキュンしてずっと気持ちがよかった。 (キュンキュン、してるとこに、モクレンの種、もらうんだ)  そう思ったら、ますますキュンキュンした。早くほしくて必死にコクコク頷く。 「まそら」  モクレンが優しい声で僕の名前を呼んだ。それだけなのに、どうしてか涙がぶわっと出てきた。種がもらえるのは嬉しいことのはずなのに、どうして涙が出てくるんだろう。 「まそら、かわいい」  かわいいって言われるのも嬉しくて、にっこり笑った。そうしたらお尻の中で何かがぐわっと大きくなったのがわかった。  大きくなったのは、きっとモクレンの雄の証だ。それがお尻の中いっぱいに広がってドクドクしている。ドクドクするたびに、お尻の奥が熱くなる。 (これって、種が出てるってことなのかな)  そう思ったら、お尻の奥がきゅうっとなった。きっと僕の体はこれが種だってわかっているんだ。だからきゅうっとして、種をいっぱいもらおうとしているに違いない。 (種って、こんなに熱くてドクドクするんだ)  うっとりしていたら、お尻から太いものがズルンって出て行ってしまった。 「まそら、大丈夫?」  雄の証が出て行って少し寂しい。せっかく中に入っていたのに、いなくなったらぽっかり穴が開いたような気持ちになった。 「どこか痛くない?」 「だいじょ、ぶ。いたく、なぃよ」  苦しいときもあったけど、痛くなることなんてなかった。それよりもすごく気持ちがよくてびっくりした。ドクドクした熱い種の感触を思い出すだけで、もっとほしくなる。 「えっちって、きもちいーね」  お尻の中を調べるときのえっちも気持ちよかったけど、僕は雄の証を入れるえっちのほうが好きだ。お尻の奥をトントンされると気持ちがいいし、熱いドクドクを感じるとお腹の奥がポカポカしてもっと気持ちがいい。 「ぼく、たね、いっぱいほし……」  子どもが生まれる卵を産むことなんて関係ないくらい、モクレンの種がもっとほしいなぁと思った。

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