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第12話 初めての。

 まだ少し顔が赤いままのモクレンに連れられて神様の塔に帰った。足に泥が付いていたから、そのままお風呂に入ってついでに手と顔も洗う。お風呂から出て顔をタオルで拭いていたら、モクレンに抱き上げられてベッドに連れて行かれた。 「まそら、念のために聞いておくけど」 「なに?」 「本当に卵を産みたいと思ってる?」  ベッドに下ろしながら、モクレンがそんなことを聞いてきた。 「産むよ? どうして?」 「俺の種を卵の部屋に注いだら、子どもが生まれる卵が本当に産まれるかもしれない。それでもいい?」 「いいよ?」  僕は子どもが生まれる卵を産むために旅に出た。そして種をくれるモクレンに出会った。いまはモクレンの種しかほしくないし、早くほしいって思っている。 「子どもが生まれるかもしれないんだよ?」 「わかってるよ? 卵をすぐ産めるかはわからないけど、でも、子どもが生まれる卵を産むまで、種ちょうだいね?」 「……まぁ、こういうところも種族的な違いなんだろうけど。それに、彼らに子育てって概念がない可能性もあるわけだし」  また難しい話だ。これからえっちなことをするのに難しい話なんてしないでほしい。 「モクレン、難しい話はあと。それとも僕とえっちしたくない? 種、くれないの?」  ベッドに座ったモクレンの腕を掴んで、じーっと目を見た。もし気持ちが変わったんだとしたら悲しい。「俺はまそらとえっちできれば十分」って言ってくれたのが嬉しくてハツジョウキっていうのになったのに、種がもらえないなんて嫌だ。 「そんなことはないよ」  ニコッと笑ってほっぺたにチュッとしてくれた。よかった、気持ちは変わってなかった。 「卵が産まれたら産まれたで、そのときに考えるか。それじゃあまそら、俺の種をもらってくれる?」 「うん、よろこんで!」  今度は僕のほうからモクレンのほっぺたにチュッとする。そうしたら「えっちのときは口にしようか」って言われて、口にチューッとされた。  モクレンが僕の体をぎゅうぎゅうに抱っこしながら、雄の証を奥に奥に押し込んでくる。僕の両足はモクレンの肩に担がれていて、両手は頭の上に投げ出している状態だ。まるで押し潰されるような格好は苦しかったけど、一番苦しいのはお尻の奥だった。 「これから、いつもと違うところに入れるからね」  お尻の奥に入っていた雄の証がズルルッと抜けた。 (いつもと違うところって、どこだろう)  そんなことをぼんやり思っていたら、太い雄の証がまたお尻に入ってきた。そのまま気持ちいいところをトントンしてから、さっきとは違うところにニュルンと入ったのがわかった。 「……っ!?」  狭いところを、太いものがメリメリ音を立てながら入ってくる。メリって入ると、ズクって痛みが走ってびっくりした。だって、これまでモクレンとしたえっちで痛かったこは一度もなかったんだ。それなのにズクズク痛くて涙が出そうになる。 「まそら、痛い?」 「だい、じょうぶ」  僕が痛いって言ったら、たぶんモクレンは入れるのをやめてしまう。せっかく子どもが生まれる卵が産めるようになったのに、種をもらわないままやめるなんて嫌だ。 「痛くないから、ちゃんと全部、入れて……?」  入れてほしくてそう言ったら、太かった雄の証がもっと太くなった。それにびっくりして体にギュッと力が入る。そうしたら今度はモクレンが「ぅわっ」と焦ったような声を出して、またびっくりした。 「あぁ、もう」 「モクレン?」 「危うく入り口で出してしまうところだった」 「入り口……?」 「そう、入り口、ここね」 「はふ、」 「ここで出しても大丈夫だと思うけど、でもしっかり着床させるならもっと奥で出さないと」 「おく、って、はぅ!」  太い雄の証が、またメリメリって言いながら奥に入り始めた。本当にメリメリ音が聞こえてきそうな気がして、怖くなった僕は慌てて目を瞑った。  我慢しなきゃって思っているのに、痛くて勝手に足がバタバタしそうになる。それなのに暴れることができないのは、モクレンが僕の体をぎゅうぎゅうに抱きしめているからだ。  モクレンの雄の証が、どんどん狭い奥に入っていく。そうしてずぅっと奥のほうにある何かにブチュッとぶつかった。 「は……うぅっ!」 (なに、これぇ!)  さっきまでメリメリしてズクズク痛かったのに、ブチュッとぶつかった途端にお腹の奥がゾクンって痺れた。すごく奥のほうがゾワゾワしてゾクゾクする。それは痛いんじゃなくて、朝したえっちと同じくらい気持ちがいいゾワゾワとゾクゾクだった。 「ひゃぁ! なに、なに、ぃひゃぁ!」 「……ッ。はは、こりゃすごい。ここ、子宮の入り口的な何か、なのかな」 「ひゃぅ! なに、これ、すごぃ、ぃ……!」 (すごいよぅ! 目が、チカチカするぅ!)  ブチュブチュぶつかるたびにゾワゾワして、びっくりするくらい気持ちがよかった。もっとブチュブチュしてほしくてお尻が勝手に動く。 「すごぃ……! ぶちゅって、きもちぃ、よう! もっと、ぶちゅ、してぇ!」 「キュウキュウ搾ろうとして、まそらは、こっちもえっちだなぁ」 「ぶちゅって、もっと、もっとぉ!」 「はは、すごいな……っと、さすがに、もう限界、かも」 「モクレン、もっと、もっとぉ! ぶちゅって、もっと、してぇ!」  雄の証でブチュブチュしてもらうことしか考えられなくなった。モクレンが何か言いながら口にチュッてしてくれたけど、そんなことよりお尻の奥をもっとブチュブチュしてほしい。  太いので、もっともっとしてほしい。太いので壊れるくらい、ブチュブチュしてほしい! 「まそら、俺の種、たっぷり飲んでね」 「~~……!」  モクレンが何か言ったあと、ギューッて押さえつけるように抱きしめられた。息ができないくらい苦しかったけど、すごく気持ちがいい。  それに、お尻の奥にブチュウって雄の証がくっついているのがすごく気持ちよかった。くっついたところにドクドクと熱いものがぶつかるのも気持ちがいい。 (これって、種なのかな)  きっとそうだ。ブチュウってしているところに種がたっぷりとかかっているに違いない。 「モクレンのたね、きもちいー、ね……」  いつもとは違う場所だったけど、モクレンの種は最高に気持ちよかった。奥はポカポカするし、体のあちこちがゾクゾクしてたまらなくなる。  気持ちいいなぁってうっとりしていたら、太い雄の証が僕の中から出ていってしまった。初めて雄の証を入れたときみたいに、出て行くのがなんだか寂しいなぁと思った。

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