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第15話
「今夜の文維 は、私のお願いを何でも聞いてくださいね」
「喜んで」
優しくそう言って、文維はまたも煜瑾 の唇を奪う。
「まず、何をすれば?」
文維の問いに、煜瑾は少し考えて答える。
「わ…、私と…、一緒に、…お風呂に、入って…くれますか?」
「もちろん…。煜瑾のお誕生日なので、私が隅から隅まで、丁寧に洗ってあげますね」
「……」
真っ赤になって羞恥する煜瑾だが、期待も抑えられず、いそいそと立ち上がり、文維の手を取った。
***
「いく、きん…」
楽しいバスタイムを終え、煜瑾は文維に抱きかかえられてベッドに運ばれた。
ベッドの上で、フェロモンたっぷりのセクシーな声で文維に囁かれると、敏感な煜瑾は全身を震わせてしまう。
「ダメ…、文維が…触れたところ、…全部…、ドキドキします…ぅ」
煜瑾の泣き言も、文維は可愛くて、手が止められない。
「煜瑾…、いいですか?」
煜瑾の後ろに手を伸ばし、文維は侵入を望んだ。
「あ…そ、それはダメ…」
「煜瑾?」
必死になって文維の腕を拒み、煜瑾は身を反らした。
「なぜ?こんなにステキな煜瑾を前に、我慢する必要が?」
誘惑的にそう言いながら、文維は煜瑾の白く長い首筋をペロリと舐め上げた。
「あ…ん…」
弱い所を攻められ、煜瑾は何も知らない身のように震えて泣いてしまう。
「ダメ…。ダメなのです…」
「…ダメじゃないですよ」
甘やかせるように囁くと、文維は煜瑾の中へと指を入れようとする。
「もう!ダメですっ…」
流されそうになりながら、煜瑾は文維から逃れた。
「何がダメなのですか?」
あまりに頑なな煜瑾に、文維は驚いた。
「小敏 が…」
「え?」
煜瑾は、仔犬のように純粋で、濡れたような黒々とした瞳で、ジッと文維を見つめた。それがあまりにも尊く、清らかで、文維は強引に迫れなくなってしまう。
「小敏に何を教わったのです?」
好奇心と悪戯と欲望の権化のような従弟 の顔を思い出し、文維は苦い顔つきになった。
問い質されるとは思っていなかったのか、煜瑾はモジモジして答えるべきかどうか迷っている。
「すぐに…、許してはいけないのです…。焦らして、いっぱい触って、擦って、なで回して、高めあった最後に…、その…、あの…そ、…挿入した方が…、文維も喜ぶって」
思いも寄らない煜瑾の破廉恥な告白に、文維は青ざめた。
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