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第24話(R18)

「ちょ、と、待て水春……っ、んな、がっつくなって……っ!」 家に帰って、宣言通り地下室で編集作業をした晶は、終わった途端そばで待っていた水春に、後ろから抱きつかれた。首筋に舌を這わされ、ゾクゾクと背中に何かが走る。 「嫌です……どれだけお預けされたと思ってるんですか」 スカートの中に手が入ってくる。下着の上からやわやわと分身を握られて、晶は堪らず声を上げた。 「晶さん……固くなってきた」 「……っ、そりゃ触ればなる!」 そういう水春は先程から、晶のお尻に自身を押し付けてくる。その動きの卑猥さに、晶の身体は熱くなった。 「な、なぁ……ここじゃ色々とやりにくいだろ? 移動しよう、な?」 水春に余裕が無いのは声でも分かった。だからと言って、ここでは色々と不便なのは本当だ。 「嫌です」 水春は晶の分身を下着から出し、擦り上げてくる。 「あ……っ」 晶の身体が跳ね、思わずそばにあった机に手をついた。 「おま、人の話、聞けよ……っ」 「そう言って、うやむやにして流されるの、オレは嫌いです」 「そんなつもりは……っ、あぁ……っ」 どうやら水春は、晶が逃げると思っていたようだ。今までの晶の言動から仕方がないとも思うが、場所を移動しようと言っているだけなのに聞けないとか、余裕が無さすぎる。 「晶さん、あぁ、入れたい……いいですか?」 水春は晶の返事も聞かず、スカートを捲りあげ、下着を下ろして自身をあてがってきた。 「ちょ、ちょっと、準備も無しに……っ、うぁ……っ!」 晶の言葉を無視して、水春が中へ押し入ってきた。受け入れ態勢が整っていないそこは、圧迫感がすごくて、苦しくて声も出せずに喘ぐ。 「でも晶さん、一人でしてたんでしょう?」 「してない! んな、時間……無かったの、お前も知ってるだろ!」 水春が動き始める。苦しいばかりで快感を得られないそれに、晶は首を横に振った。 すると、水春は晶の前を握っていた手を再び動かす。 「あっ、嫌っ……前も同時はしんどいって……っ!」 「とか言って、腰、動いてますよ?」 「……っ!」 水春から与えられる刺激に、晶の身体は勝手にヒクヒクと動いていた。後ろも少しずつ馴染んできて、息苦しさより快感が強くなっていく。 「あ……っ、……っ、だめ……だめだめだめっ!」 晶は思わず仰け反って、視界が白くなる程の快感に耐えた。 「……っ、うっ」 こんな強引な流れでも、刺激を与えられればイッてしまう自分が恥ずかしい。 晶は机に突っ伏すと、はぁはぁと呼吸を整える。 「晶さんイッちゃったんですか? 一人で勝手にイかないで下さいよ……」 「うぁ……っ、や、やだぁ……っ!」 水春は再び動き出す。もちろん前も一緒に弄られ、晶は射精より早くイクとか何なんだ、と心の中で呆れた。 そう思っていた事がきっかけになったのか、また一気に射精感が襲ってくる。 「ま、待て! ホントにっ、部屋、汚したくないっ」 しかし晶の叫びも虚しく、精液が床にパタパタと落ちていった。その間も水春は激しく揺さぶり、晶は机に突っ伏しながら、机の端でも何でもいい、と掴まる所を探す。 「あっ、あっ、……みはる……っ!」 髪を振り乱し、晶は強すぎる快感に悶え喘いだ。視界がチカチカして、今イッたばかりなのに、と脳を直撃するような快感の波に耐える。 ガクガクと、晶の身体が震えた。声も出せず息を詰めると、また一瞬意識が飛ぶ。 「晶さん……連続でイッちゃってますね…………可愛い」 おかげでオレももうイキそうです、と水春は晶に合わせて緩めていた動きをまた早めた。 「ばかっ、俺は……しんどいばっかりだっ」 イキ過ぎても疲れるだけなので、手加減しろと叫ぶけれど、水春は聞いちゃいない。 「晶さん、晶さん……オレももうイキますよ、全部受け止めて下さいね」 「も、早く、終わらせて……っ、ああああ!」 水春の動きが止まる。晶はまたチカチカする視界から目を閉じると、ブルっと大きく身体を震わせた。 しばらく二人は無言で息を整えていると、水春は晶の耳元に顔を擦り寄せた。 「……仕事場が、汚れちゃいましたね」 「……っ、止めろって言ったのに! それに何だよ!? 強引過ぎるぞ!」 晶の目にじわりと涙が浮かぶ。水春は晶の声色で泣いた事が分かったらしい、ぎゅっと身体を抱きしめてきた。 「嫌でした? すみません、やり過ぎましたね」 でも余裕無くて、と水春が晶の中から出ていく。晶は足の力が抜けて、ペタンと床に座り込んだ。 「でも晶さん、晶さんからは絶対誘ってくれないじゃないですか」 だって、と晶は隣にしゃがんだ水春を見る。 「どう誘えば良いか分からない……二十七にもなってやっと初めての……彼氏だし……俺の方が年上だしとか考えたら……」 セリフの後半は、ボソボソと呟くようになってしまったけれど、水春にはきちんと聞こえたようだ。 「そうでした、晶さんはこういうの、慣れていないんでしたね」 「……なんかムカつく言い方だな」 晶は水春を睨むと、彼はすみません、と笑った。 「確かに、晶さんがニコニコ笑って甘えてくるのも想像できません」 そもそも人との距離を詰めるのが苦手な晶なのだ、それは無理というものだろう。 「……そうやって、唇を尖らせてる晶さんも可愛いですけどね」 上機嫌な水春。晶は現金な奴だなと思う。 「可愛くねぇだろ。アラサーの女装した、痛いおっさんだぞ」 「いえ、肌のぷるぷる具合からして、晶さんは十代の美少女です。オレ、ホームページのプロフィール見て、ビックリしましたもん」 晶はいたたまれなくなった。褒められ慣れてないから、どう反応していいのか分からない。これが何の関係もない人だったら、ニッコリ微笑んでその場を去るくらいはできるけれど。 「……年齢公表しない方が良いか」 「ちょっと晶さん? 急に仕事モードに入らないで下さい」 「ああ悪ぃ、これだけ……水春どう思う?」 もう、と水春はため息をついた。これだけ実年齢とギャップがあるなら、公表しない方が良いんじゃないですか、と言われ、晶はその場でプロフィールを書き換える。 「こういう行動は早いのになぁ……」 水春が呆れている。しかも情事の後の乱れた姿でやる事じゃない。 「晶さん、移動しましょ。今度はたっぷり甘えさせてあげます」 「え、まだやるのかよ?」 晶はそれなりに疲れてるんだけど、と乱れた服を直す。 「あ、何服を直してるんですか」 水春は対抗するように、晶のシャツのボタンを外していく。止めろ、と晶はその手を掴むと、何故か押し倒された。 水春はニコニコしていて、上機嫌この上ない。 「楽しそうだなおい」 「楽しいですよ。……キスしていいですか?」 「……好きにしろ」 晶は目を閉じると、優しい口付けを受け入れた。

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