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第1話 ◆ 魔法少年、再び②

 しかし彼との感動の再会も束の間、ウルウはとんでもないことを言い出した。地球に再び別の脅威が迫っているので、助けてほしいというのだ。 「いや、だって俺地球の危機1回救ったじゃん。しかも他の惑星(シャイニス)まで復興させたんだよ? なんでまた危機が起きてるんだよ」 「那由多はシャイニスと地球がどれだけ美しく素晴らしい奇跡の星なのか全然分かってない! シャイニスと地球はね、宇宙の中でもダントツに人気の星なんだよ」  「だったらせめて国交を結んで地球を観光地にでもすればいいじゃんか」と言うと、ウルウは宇宙人とは皆野蛮なのだと一蹴した。どうやらシャイニスと地球が美しい星と称されるのは自然の豊かさだけではなく、棲む人間の心の綺麗さにもあるらしい。 「シャイニスは那由多の願いのおかげで永い平和が約束されているけど、地球はマジカルスターの加護を受けていないんだ。……あのね、那由多。他の惑星の人間からしたら、地球は垂涎物の、喉から手が出るほど欲しくなる美しい惑星なんだよ? 狙ってるやつは多いんだ」 「そんなこと言ったって……」  ウルウによると、また別の、今度はブラックムーンという惑星の悪の組織が、今地球にどんどんスパイを送り込んできているらしい。そこで俺はまた、そのスパイたちを倒していかなければならないという。 「でね、ブラックムーンのスパイたちは煌輝(きらめき)学園という日本屈指の超エリート高校に乗り込んで、既に学園を掌握してるの」 「煌輝学園……?!」 「ああ、那由多も知ってるか。そう、各界のご子息や芸能人、奇才なアーティストからスポーツマンまでありとあらゆるエリートとスターの卵が通う全寮制男子高校の煌輝学園! ブラックムーンはね、そんな煌輝学園の中でもエリート中のエリートでアイドル的存在でもある生徒会メンバーに属してるんだよ」

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