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序章 : 2 *

 不意に。 「ダメだよ、カナちゃん。逃げないで」  ツカサはカナタの腰を、強引とも取れる力で引き寄せた。 「あ……っ」  離れようとしたはずが、むしろさらに密着する体。  カナタはそれでも、ツカサの胸を押し返す。 「ち、近いです……っ」 「そうだね、とっても嬉しいね。……なのにどうして、カナちゃんは俺から離れようとするの?」 「だって、オレ……っ」  カナタは懸命に、身をよじる。  それでもツカサは、距離を開けようとはしない。  ──それどころか。 「……あぁ、そっか。カナちゃんの言いたいこと、分かっちゃった」  腰を引き寄せていない、もう片方の手。  ──その手で、ツカサはあろうことかカナタの下半身をまさぐり始めた。  途端に、カナタは体を硬直させる。 「やっ、やめ──」 「カナちゃんが気にしているのは、ココ。朝勃ちしていることを気にしているんでしょう? ふふっ。カナちゃんは朝から元気だねぇ?」 「っ!」  瞬時に赤らむ、カナタの頬。  ──言い逃れは、できない。  ツカサの手が、カナタの隆起した逸物を寝間着越しに握っているのだから。 「あはっ! カナちゃん、耳まで真っ赤になっちゃった。可愛いなぁ、ホントに……っ」 「せっ、生理現象です……っ! だから、触らないでください……っ」 「うぅん、それはムリかなぁ。……だって」  ツカサは言葉を区切り、さらにカナタとの距離を縮める。 「可愛いカナちゃんを見ていたら、俺も勃ってきちゃったからさ」 「あ……っ」 「分かる、カナちゃん?」  押しつけられる、ツカサの逸物。  それは布越しでもハッキリ分かるほど、存在を主張していた。  頬を赤らめたまま、カナタは小さく頷く。  まるで乙女のようなカナタの反応にも、ツカサは笑みを浮かべる。 「恥ずかしがるカナちゃん、凄く可愛い。寝間着越しなのに、触るとビクビクしているココも……うん。ヤッパリ可愛いね」 「ツカサ、さん……っ」 「ね、カナちゃん。一緒にシよ?」  カナタに残る理性が、頭の中に【抵抗】の二文字を浮かび上がらせた。  だが、残されていた理性は……。 「ぅ、ん……っ」  ──僅か、欠片ばかりのもの。  布越しとは言え、急所を握られている。  それどころか、相手はツカサだ。  しかもあろうことか、自分と同じように興奮している状態。  カナタが逃げられる隙や要素なんて、ありはしないのだ。 「カナちゃん。……ズボン、下げるね?」 「だ、め……です……っ」 「ふふっ、だぁめっ。声が期待しているから却下だよ」 「そんな、こと……っ」  拒絶の言葉は、虚しく放り投げられる。  ツカサはカナタの寝間着を下げ、硬く反り立つ逸物を露出させた。  瞬時に、カナタは目を閉じる。自身のあられもない姿を、見たくないからだ。 「は、ぁ……っ」  それでも、ツカサの手は止まらない。  先端を押し潰すように撫でつつ、逃がす気は毛頭ないと言いたげに、竿の部分を握っていた。

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