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ツカサの長い指が、何度もカナタの後孔を出入りする。
「はぁ、あ……あぅ、ん、っ」
与えられる微弱な快感に、カナタは堪らずツカサへしがみつく。
後孔だけではなく、胸の突起を弄るツカサの手も、止まってはいない。
カナタはただただ、ツカサの指によって翻弄された。
「あっ、そこ、は……んっ、んぅ……っ!」
不意に、しこりのような部分をツカサの指先が捉える。
そのたびにカナタは、甘えん坊な子供のようにツカサへ抱き着いた。
「そこは、だめ……っ。オレっ、変な声、出ちゃう……っ」
ビクビクと体を震わせながら、カナタは縋るような声を出す。
余裕がないカナタの声を受けて、ツカサはカナタの後孔を弄びながら、クスリと笑みをこぼした。
「カナちゃんって、ココを弄られるの好きだよね?」
「あぅ、んっ! やっ、は……っ!」
「お尻を弄られるのが好きって、素直に言って? そうしたら、指を増やしてあげる」
指一本でも、カナタの逸物が硬度を増すほどには気持ちいい。
──だが、カナタはそれ以上の快楽を知ってしまった。
──到底、指一本では我慢できそうにない。
カナタは羞恥心と期待でグチャグチャになりながらも、ツカサからのオーダーに対し、懸命に答えた。
「す、き……っ。お尻、指でグリグリされるの……好き、です……っ」
「指、増やしてほしい?」
「ん、っ。お願い、します……っ」
「じゃあ、俺にキスして?」
顔を赤らめて、カナタはツカサと向き直る。
思えば、カナタからキスをするのは初めてだ。
カナタは体を震わせながら、ツカサの唇に自身の唇を押し付けた。
すぐに顔を離し、カナタはジッとツカサを見つめる。
「しまし、た、から……っ。お願い、指……っ」
「いいよ。一本増やしてあげる」
「んぅ……っ!」
宣言通り、ツカサの長い指がもう一本、カナタの後孔へと差し込まれた。
それと同時に、胸を弄るツカサの指も力が増す。
「はぅ、んっ! はぁ、あ、っ!」
グチグチと、いやらしい音が部屋に響く。
胸を強くつままれると、快楽が駆け巡る。
──しかし、それでもまだ足りない。
カナタは潤んだ瞳でそっと、ツカサを見つめた。
「ツカサ、さん……っ」
「ん? まだ足りない?」
「足り、ない……っ。もっと、ほし……っ」
「じゃあ、今度は大人のキスをしてほしいなぁ?」
ツカサからの要求に、カナタはさらに顔を赤くする。
けれど、カナタが動かない限り、ツカサも断固として動かないだろう。
「ほら、カナちゃん。お尻が切なそうだよ?」
「んぅ、っ!」
二本の指が、根元まで挿入される。
「はっ、あぁ……っ」
抜き差しを繰り返されるたびに、喉の奥から羞恥心を駆り立てるような声が漏れ出た。
二本の指だけでも、快楽を享受することはできる。
……だが、どうしたって足りない。
カナタはおずおずと、ツカサの頬に手を伸ばした。
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