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互いの口腔を、舌で確かめ合う。
味を、感触を、熱を……。
荒々しくもどこか優しい舌遣いに、カナタはただただ溺れていく。
「あ、っ。ツカサ、さん……っ」
ツカサの唇が離れると、カナタはほんの少し寂し気な瞳を向けてしまう。
するとツカサは突然、カナタから距離を取った。
すぐに、カナタはツカサに手を伸ばす。
「ツカサさん、や……っ」
「ちょっと待っていてね」
そう言うと、ツカサはベッドから降りた。
そのまま、おもむろに……。
「よいしょっと」
ツカサはクローゼットへ向かい、その中を物色し始めた。
当然驚いたカナタは、慌てて上体を起こす。
「ツカ──」
「──待って」
しかし、カナタに背を向けていたツカサがピシャリと言い切る。
「いい子だから、そこから動かないで待っていて」
動揺を隠せないまま、カナタはベッドの上でツカサを待つ。
ツカサはまるでどこになにが収納されているか知っているかのように、クローゼットの中を漁る。
「えっと、確かこの辺りに……あっ、あった!」
ツカサが見ているのは、服がしまってある場所ではない。
つまり、スカートを探しているわけではないのだ。
そうと分かって安心したものの、油断はできない。
「ツカサさん? なにを探して……」
「コレだよ」
ツカサの手には、細い布が掴まれている。
それは、カナタが衝動買いをした物で……。
「──コレ、穿いて?」
白と水色の、どこか清楚で清廉な印象を与えるニーハイソックスだ。
ニーハイソックスを持ったまま、ツカサはカナタが待つベッドへ戻る。
カナタは今、下半身には下着しか纏っていない。
その下着は当然男物の下着で、つまるところニーハイソックスとのバランスはお世辞にもいいとは言えない状態だ。
ニーハイソックスを持っていたと知られていたこともそうだが、想定外の要求にカナタは動揺を露わにする。
「どうして、それ……っ」
「ニーハイって、なんかエッチじゃない?」
そう言いながら、ツカサはカナタの右足を持ち上げた。
「なんだか、ガラスの靴を履かせるみたいでドキドキするね」
すぐにツカサは、カナタの脚にニーハイソックスを這わせていく。
「暴れないでね、カナちゃん。俺、カナちゃんには蹴られたくないから」
「ん、っ」
ツカサの冷たい指が、脚を這う。
スルスルとニーハイソックスを穿かされていく羞恥心よりも、ツカサの指先に対して、カナタは胸をザワめかせてしまう。
「次は、反対」
そのまま、今度は左足を持ち上げられる。
「カナちゃんの脚、スベスベしてて気持ちいい。ずっと触っていたいな」
この状況は、どう考えてもおかしい。
しかし、ツカサに絆されてしまった今のカナタは、心のどこかで『スカートよりはマシかもしれない』と思ってしまった。
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