85 / 289

5 : 21 *

 ツカサは脚を堪能しながら、カナタの臀部へと手を伸ばす。 「でも、俺のお願いだから着てくれたんだよね? それはどうして?」 「どうして、って……っ」 「言って、カナちゃん。言ってくれたら、カナちゃんが気持ちいいって思うところ全部……いっぱいい~っぱい、可愛がってあげるから」  コスプレ衣装の中に、ツカサの指が差し込まれる。  指の腹で後孔の入り口を撫でながら、ツカサはカナタの脚に歯を立てた。  ゴクリ、と。カナタは、唾を飲み込む。 「恋人、だから……っ。ツカサさんのことが、好きだから……です……っ」 「じゃあ、俺とセックスするのは? イヤじゃない? 嬉しい?」 「嫌じゃ、ないです……っ。……うれ、しい……っ。ツカサさんに、メチャクチャにされるの……好き、です……っ」 「ン、ありがとっ」  カナタの脚から、ツカサは顔を上げる。  涙目になったカナタへ顔を寄せ、ツカサはもう一度キスを落とした。 「ぁ、む……ん、ふ、っ」  優しい口付けに、カナタの瞳がトロンと蕩ける。まるで、熱に浮かされたかのような潤み方だ。  大人しくなったカナタに対し、ツカサは後孔へゆっくりと指を挿入した。 「ん、ぅ……は、っ」  当然、カナタは抵抗しない。  ツカサの長い指を、カナタは懸命に受け入れようとした。 「んん、ん……っ! ん、ふ……っ!」  指の本数が増え、内側を蹂躙する動きが激しくなっていく。  唇を塞がれたカナタはただただくぐもった声を漏らし、シーツを握り締める。  しかし、カナタはふと、ツカサの背に腕を回してみようと思った。  そしてすぐに、実践をしてみる。  するとツカサは、どこか嬉しそうに瞳を細めた。  それと同時に……。 「んっ! あ、ぁ……っ」  ツカサは、挿入していた指を引き抜いた。  深い口付けから解放されたカナタは、ぼんやりと滲む視界でツカサを見上げる。 「カナちゃん、可愛い……っ。俺、今日は余裕ないかも……っ」 「ツカサさん……っ」 「痛かったら、言ってね?」  コクリと、カナタは小さく頷いた。  バニーガール衣装の、下半身。  股間に食い込む布を、ツカサはそっとずらす。  露わになった後孔へ、ツカサは自身の逸物を押しつけた。 「ウサギさんなカナちゃん、可愛い。可愛すぎて、余すところなく食べ尽くしたくなっちゃうな」  余裕無さげな声で、そう囁いた後。 「ぁあ、あ……ん、ぁ……っ!」  ツカサの逸物が、肉壁を押し退けるようにカナタの後孔へ、ゆっくりと挿入された。  堪らず、カナタはツカサの背へ縋る手に力を籠める。 「キッツ……ッ。カナちゃん、痛くない?」 「だ、大丈夫、です……っ」 「良かった。……痛くなったら、すぐに言ってね?」 「は、い……ん、ぁあ、っ」  ゆっくりと、肉棒が引き抜かれかけた。  かと思いきや、今度はまったく同じ速度で挿入される。 「あ、ぁ……ん、っ!」 「ぎゅうぎゅう締めつけてくるね、カナちゃん。……俺とのセックス、気持ちいい?」 「気持ち、い……っ! も、もっと……シて、ほしい……です、っ」 「素直なカナちゃん、可愛いなぁ……っ」  ぐちぐちと、普段は聞かないような音。  ベッドが軋む音すら、カナタにとっては刺激的だった。  恥ずかしい衣装に着替えさせられ、まるで同意のような流れに持ち込まれ、後孔を犯される。  男としては、嬉々として喜べる状況ではないだろう。  しかし、カナタはツカサへの気持ちを自覚した。  そしてカナタは、ツカサから求められることを【喜び】として、甘受しているのだ。 「犯されて『気持ちいい』って顔になっているカナちゃん、凄く可愛い」  ヒョコヒョコと揺れるウサギの付け耳を眺めた後、ツカサは顔を快楽に染めたカナタを見つめた。 「カナちゃん、お願い。俺に跨って?」 「また、がる……っ?」 「うん。騎乗位ってやつ。分かる?」  戸惑うカナタから、ツカサは逸物を引き抜く。 「カナちゃんが俺に乗っかって、腰を振るの」  想像をしただけで、カナタにとっては恥ずかしい状況だ。以前までのカナタならば、首を横に振っていただろう。  しかし……。 「できるよね、カナちゃん?」  好きな相手から、優しく囁かれているのだ。 「……ん、っ」  羞恥心よりも、相手を悦ばせたいという気持ちが強くなる。  カナタは頷いた後、ゆっくりと上体を起こした。

ともだちにシェアしよう!