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体についた汚れを落とそうと、ツカサはシャワーを手に取った。
「カナちゃん、脚開いて?」
半ば放心状態のカナタは言われるがまま、擦り合わせていた膝を離す。
飛び散った精液を見て、ツカサは目を細めた。
「いっぱい出たね。乳首、気持ち良かった?」
「は、い……っ」
素直に頷いたカナタを見て、ツカサは一瞬だけ驚く。
「……あっ、ちがっ! あのっ、今のは変な意味じゃなくて……っ!」
しかし我に返ったカナタによって、ツカサはその顔色を驚愕から喜楽に変えた。
「変な意味もなにも、本当のことを言っただけでしょう? 慌てて変な訂正を口にしちゃうカナちゃん、可愛い~っ」
破顔しつつ、ツカサはカナタの体にシャワーを当てる。
そこでツカサは、カナタの前に移動した。
「カナちゃん、立てる? バスチェアにくっついているところも流したいから、俺の肩に掴まって立ってもらえるかな?」
ツカサの問いに、カナタは立ち上がることで答えを示す。
ツカサの肩に手を置いたカナタは、力の抜けた足をなんとか踏ん張らせた。
そうすると、シャワーがカナタの下半身にお湯をかける。
「カナちゃんって、警戒心が強いようで結構無防備だよね」
ツカサが紡いだ言葉の意味を、カナタは訊き返そうとした。
──その時だ。
「えっ、あ、あのっ、ツカ──ひ、っ!」
ツカサが突然、カナタに【イジワル】を始めたのは。
「ツ、ツカサさん……っ! シャワーの勢いが、少し、強くて──あ、っ!」
シャワーヘッドが、ある一点を狙い続ける。
カナタは身をよじり、なんとかその部分を逃がそうとした。
だが、ツカサの方が一枚上手だ。
カナタの腰に手を回し、逃がさないように固定したのだから。
それでもカナタは身をよじり、ツカサからなんとか距離を取ろうとする。
「そこっ、そこは……っ! だめ、ぇ……っ!」
「『ダメ』? なんで? それに『そこ』ってどこ?」
「お、お尻、です……っ。なんで、オレのお尻にばっかり……っ」
シャワーが当てられているのは、カナタの臀部だ。
腰に回されていたツカサの手が、するりと下方へ移動する。
手のひらの動きにすら過敏な反応を示すカナタに、ツカサは囁いた。
「──だって、今から使うでしょ?」
腰から、下へ。
ツカサの指が、カナタの後孔に触れた。
「ひっ、んん、っ!」
指によって、後孔が広げられる。
そこに、シャワーがかけられた。
「あつ、いぃ……っ。お湯が、中に──だめ、ツカサさんっ、やぁ……っ!」
「体はキレイにしなくちゃダメだよ?」
「そういう問題じゃ──ぁあ、っ!」
お湯と共に、ツカサの指がゆっくりと後孔へ侵入する。
「嬉しそうに締め付けているくせに、つれないこと言わないでよ」
指が一本、根元まで挿入されていく。
無理矢理咥え込まされているのに、カナタの体は歓喜に震え始める。
「あ、ぁ……っ! 指っ、が、ぁん……っ!」
「気持ちいいね、カナちゃん?」
「そんなっ、いきなり増やしちゃ……っ!」
指の本数が、一本から二本。
そしてすぐに、三本目も挿入される。
「んんぅ、あ……っ! ツカサ、さ……ん、っ!」
乱暴に繰り返される指の抜き差しに、カナタは嬌声に似た声を上げることしかできない。
ようやく指が引き抜かれると、ツカサはシャワーのノズルをひねり、お湯を止めていた。
「シャワーだけじゃ冷えちゃうね。……お風呂、入ろうか」
理性を溶かすような、熱い声。
カナタはツカサにもたれかかりながら、その意味を深くも考えずに、小さく頷いた。
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