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くにくにと、ツカサはカナタの乳首を弄ぶ。
弾力のあるその触り心地に『可愛いな』とは思うけれど、ツカサはカナタを愛でている場合ではなかった。
「ほら、カナちゃん。先ずは俺に『ありがとうございます』でしょう?」
「うぁ、あ……っ」
「お礼も言えない悪い子になっちゃったのかなぁ?」
「ひぅ、っ!」
痛みが伴うことを理解しつつ、ツカサはカナタの乳首を強くつまむ。
ビクリと体を震わせながら、カナタはツカサにしがみついた。
「あっ、ぁあ、っ! 乳首、気持ちいぃ……っ! もっと、もっと酷く──ひぅ、んぅっ!」
善がりながらも、カナタははしたない要求を続ける。
すると不意に、カナタがツカサから体を離した。
「キス、されたい……っ。オレのおっぱいに、いっぱいキス……して、ぇ」
服をもう一度捲り、カナタはツカサに懇願する。
ツカサは眉を寄せて、縋るカナタを見つめた。
「お仕置きされる側なのに、随分とワガママだね? そんなことを言ったら、余計に俺がしてあげないって分からないのかな?」
「んっ、やぁ……っ!」
カナタは首を左右に振り、ツカサを見つめ返す。
「ツカサさん……っ」
ぐっと、ツカサは思わず息を呑む。
憎悪や悲哀によって冷静さを失ったときは除くが、ツカサは基本的にカナタを甘やかしたい。
カナタに酷いことをする気は毛頭ないし、なんならしたいとも思わない。
つまり……。
「ちゅー、して……っ。オレのおっぱいに、いっぱい……してほしい、です。……ツカサ、さん……っ」
こうしてカナタから甘えられると、ツカサは結局弱いのだ。
「……分かったよ、分かった。カナちゃんがそんなに言うなら、いいよ。キスしてあげる」
ツカサは片手をカナタの乳首から離し、そのまま顔を近づけた。
そのままカナタの要望通り、ツカサはカナタの乳首に口付けたのだ。
「ひっ、ぁん……んっ! 気持ち、いぃ……っ!」
カナタの体は、抵抗などを示さない。
むしろ、ツカサから与えられるさらなる愛撫を求めている。
「あっ、あん……んぅ、っ!」
ツカサがわざと歯を立てると、カナタはビクリと体を震わせた。
「気持ち、いぃ、っ! 痛くされるの、気持ちいいです……っ!」
「カナちゃんの淫乱」
「ひぁっ!」
するりと、空いていたツカサの手がカナタの下半身をなぞる。
ツカサの手は迷うことなく、ある一点をかすめた。
「はぁ、あっ! やめっ、て、ぇ……っ」
ツカサの手が、きわどい部分まで伸びてくる。
それは、痛いほどに張り詰めているカナタの男根だ。
「あっ!」
カナタがビクリと体を震わせるも、ツカサは黙って手を動かした。
「だめっ、そこ、そこは……っ! オレ、すぐイっちゃ──」
「イきたいくせに」
カナタが気付いた時には、既に手遅れで。
「イく、イっ、んんぅ……っ!」
乳首を強く噛まれ、反対の乳首は強くつねられた。
濡れそぼった逸物も、カナタが絶妙に悦ぶポイントを熟知しながら扱かれる。
カナタは背をしならせ、思いのままに射精してしまう。
「はぁ、あ……う、っ」
目の前にいるツカサへ寄り添うように、カナタはクタリと体を預けた。
それでも、ツカサはカナタを解放しない。
「まだだよ、カナちゃん。こんなのじゃ終わらないから」
惚けたカナタに対し、ツカサは囁く。
するとカナタは一度だけ、コクリと喉を鳴らした。
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