149 / 289

8.5 : 6 *

 くにくにと、ツカサはカナタの乳首を弄ぶ。  弾力のあるその触り心地に『可愛いな』とは思うけれど、ツカサはカナタを愛でている場合ではなかった。 「ほら、カナちゃん。先ずは俺に『ありがとうございます』でしょう?」 「うぁ、あ……っ」 「お礼も言えない悪い子になっちゃったのかなぁ?」 「ひぅ、っ!」  痛みが伴うことを理解しつつ、ツカサはカナタの乳首を強くつまむ。  ビクリと体を震わせながら、カナタはツカサにしがみついた。 「あっ、ぁあ、っ! 乳首、気持ちいぃ……っ! もっと、もっと酷く──ひぅ、んぅっ!」  善がりながらも、カナタははしたない要求を続ける。  すると不意に、カナタがツカサから体を離した。 「キス、されたい……っ。オレのおっぱいに、いっぱいキス……して、ぇ」  服をもう一度捲り、カナタはツカサに懇願する。  ツカサは眉を寄せて、縋るカナタを見つめた。 「お仕置きされる側なのに、随分とワガママだね? そんなことを言ったら、余計に俺がしてあげないって分からないのかな?」 「んっ、やぁ……っ!」  カナタは首を左右に振り、ツカサを見つめ返す。 「ツカサさん……っ」  ぐっと、ツカサは思わず息を呑む。  憎悪や悲哀によって冷静さを失ったときは除くが、ツカサは基本的にカナタを甘やかしたい。  カナタに酷いことをする気は毛頭ないし、なんならしたいとも思わない。  つまり……。 「ちゅー、して……っ。オレのおっぱいに、いっぱい……してほしい、です。……ツカサ、さん……っ」  こうしてカナタから甘えられると、ツカサは結局弱いのだ。 「……分かったよ、分かった。カナちゃんがそんなに言うなら、いいよ。キスしてあげる」  ツカサは片手をカナタの乳首から離し、そのまま顔を近づけた。  そのままカナタの要望通り、ツカサはカナタの乳首に口付けたのだ。 「ひっ、ぁん……んっ! 気持ち、いぃ……っ!」  カナタの体は、抵抗などを示さない。  むしろ、ツカサから与えられるさらなる愛撫を求めている。 「あっ、あん……んぅ、っ!」  ツカサがわざと歯を立てると、カナタはビクリと体を震わせた。 「気持ち、いぃ、っ! 痛くされるの、気持ちいいです……っ!」 「カナちゃんの淫乱」 「ひぁっ!」  するりと、空いていたツカサの手がカナタの下半身をなぞる。  ツカサの手は迷うことなく、ある一点をかすめた。 「はぁ、あっ! やめっ、て、ぇ……っ」  ツカサの手が、きわどい部分まで伸びてくる。  それは、痛いほどに張り詰めているカナタの男根だ。 「あっ!」  カナタがビクリと体を震わせるも、ツカサは黙って手を動かした。 「だめっ、そこ、そこは……っ! オレ、すぐイっちゃ──」 「イきたいくせに」  カナタが気付いた時には、既に手遅れで。 「イく、イっ、んんぅ……っ!」  乳首を強く噛まれ、反対の乳首は強くつねられた。  濡れそぼった逸物も、カナタが絶妙に悦ぶポイントを熟知しながら扱かれる。  カナタは背をしならせ、思いのままに射精してしまう。 「はぁ、あ……う、っ」  目の前にいるツカサへ寄り添うように、カナタはクタリと体を預けた。  それでも、ツカサはカナタを解放しない。 「まだだよ、カナちゃん。こんなのじゃ終わらないから」  惚けたカナタに対し、ツカサは囁く。  するとカナタは一度だけ、コクリと喉を鳴らした。

ともだちにシェアしよう!