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8.5 : 7 *
椅子に座るツカサの上に、カナタは座っていた。
「挿れるよ、カナちゃん」
ズボンを下着もろとも脱がされたカナタは、小さく頷く。
「ナカに、ツカサさんの……挿れて、ください……っ」
瞳が潤んでいるのは、アルコールのせいなのか。
……そんなこと、ツカサにとってはもはやどうでもいいことだった。
「うぁ、あ……っ! ツカサさんの、大きぃ……っ!」
徐々にカナタの内側へ肉棒を収めていくと、膝の上でカナタが喘ぐ。
熱に浮かされたようなカナタの反応に、ツカサは胸がキュッと締め付けられた。
「男に犯されているのに、気持ちいいんだ? カナちゃんは本当に、はしたなくて淫乱な子になっちゃったね」
「んんっ!」
逸物を根元まで挿入し、ツカサはカナタの耳元で囁く。
するとカナタは途端に首を左右に振り、ツカサの言葉を否定し始めた。
両腕でツカサにしがみつき、両脚すらもツカサにしがみつこうとしているのに。
体を揺すると、耳元にあるカナタの口から吐息が漏れ出る。
そんなカナタを見て、いくらツカサであっても先ほどの言葉を撤回する気にはなれなかった。
「カナちゃんはエッチだよ。男の子なのにお尻を弄られて、胸を虐めてほしくて仕方ないんだから」
「ちがっ、違います……っ! オレ、男に抱かれて嬉しいわけじゃ──はっ、あんっ!」
「ホントかなぁ?」
ツカサの腹筋に逸物を擦り付けているくせに、どこが悦んでいないと言うのか。
すると、カナタはポロポロと涙を流しながら口を開いた。
「──オレは、ツカサさんだから嬉しいんです……っ。ツカサさんだから、気持ちいいんです……っ!」
ギリッ、と。
まるで絞られるかのように、胸が締め付けられた。
「ツカサさん、大好き……っ! エッチも、気持ちいいです……っ! もっと、もっとオレのこと犯して、ぇ……っ!」
こんなにも可愛くて、こんなにも愛おしい。
酔っても尚、カナタへの想いは変わらない。
むしろ、さらに惚れさせようとしてくるのだから酷い話だ。
ツカサはカナタの尻を掴み、どこか乱暴な抽挿を始める。
「ぁあ、っ! あっ、やぁ、んっ!」
何度も何度も深々と貫かれ、カナタは堪らずあられもない声を漏らす。
「カナちゃんはズルい子だよ……ッ! 俺はカナちゃんにいつだって優しくしたいのに、こうして乱暴なことをさせるんだから酷い……ッ!」
「ふぁ、あっ! 気持ち、いっ! そこ、もっとぉ……っ!」
「それなのにこうして俺を赦すんだから、ヤッパリ酷いよ……ッ!」
「んんっ、んぅっ!」
ずぷり、と。
奥深くを穿たれ、カナタは体を強張らせる。
内腿をガクガクと震わせながら、カナタは二度目の絶頂を迎えた。
「しゅごい、っ。きもちぃ……っ」
呂律の回らない舌で、カナタは懸命に快楽を言語化する。
ツカサはカナタの顔を自身に向き直らせ、薄く開かれたその口腔へ強引に口付けた。
「んっ、んぅ……ふぁっ、んんっ!」
唇を塞いだまま、ツカサはカナタの体を再度揺さ振り始める。
──ナカに出すよ。
そんな一言も伝えられず、必然的に許可も取らず。
「んんぅっ!」
ツカサはカナタのナカに、欲情の塊を吐き出した。
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