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ツカサに背を向けたカナタは、必死に浴槽の縁を掴んでいた。
「あっ、あ、っ! そこっ、気持ちい──ひあっ!」
貧相な体をツカサにしっかりと掴まれたまま、カナタは何度も何度もツカサに後孔を穿たれる。
内腿が震えようと、曲げた膝が笑おうと。
カナタは、なんとか同じ姿勢を保ち続ける。
「凄く締まる……っ。今日のカナちゃん、いつもよりヤバいかも……っ」
「ぁあっ! ツカサさんのが、大きく……っ! ひぅ、んんっ!」
先ほどまでの水音とは、まるで違う。
バシャバシャと激しい音が、浴室の中に何度も響く。
「だめっ、オレ、イく……っ! イっちゃう、イくっ、イく……っ! んっ、んぅ、あっ、あぁっ!」
浴槽の中に、白濁とした液が迸る。
それでもツカサは気にせず、収縮するカナタの後孔を犯し続けた。
「待って、やっ、あっ! イったばっかりで、オレ、おかしい……っ!」
「俺のに強く絡みついて、今日のカナちゃんは凄いね? いつにも増してエッチだよ」
「あっ、ぅあっ! そこっ、そこはだめっ、んんっ!」
「また締まった……っ。ホント、可愛いなぁ……っ」
そう言いながらも、ツカサは遠慮容赦なく腰を打ち付ける。
そのたびに、カナタは何度も何度も絶頂を迎えてしまう。
「またイっちゃ──ふぁ、ぁあ、っ!」
ビクリと、カナタの体が硬直する。
あられもない声を上げながら、カナタは何度目か分からない絶頂を迎えた。
肩で息をするカナタを休ませることなく、ツカサはぐりぐりとカナタの最奥を狙う。
「ココを、強引にこじ開けると……カナちゃんはビックリするくらい反応しちゃうんだよね?」
「ひぅっ!」
「あはっ、ヤッパリっ。今日もココに出してあげるね、カナちゃん」
カナタの体は、ツカサの逸物をハッキリと憶えてしまった。
初めは挿入されることに抵抗しかなかったカナタの後孔も、今では先端を擦りつけられるだけで淫らに悦んでしまう。
それが根元まで挿入されて、尚且つ荒々しく犯されているのだ。
「だめっ、だめですっ! やぁっ、あぁっ!」
戸惑うほど感じてしまうのは、どうしようもないことなのだろう。
カナタは生理的な涙を流しながら、ツカサの逸物を懸命に受け止める。
強く締め付けると、よりハッキリと形が分かってしまった。
それにすらまた、カナタは悦びを見出してしまう。
「好きだよ、カナちゃん。大好き」
「んっ、あぁ、あっ!」
「またイきそう? そんなに締め付けられると、俺も出ちゃいそうだよ」
「だ、して、ぇ……っ! ツカサさんの、ナカに……ナカに、欲しいからぁ……っ!」
「素直で可愛い……っ」
顎を掬われ、そのまま強引に背後を振り返させられる。
カナタは目を閉じて、ツカサが与えてくれる口付けを待った。
焦らすことはせず、ツカサはカナタにキスをする。
それと同時に、ツカサの逸物が深々とカナタの後孔に突き挿れられた。
「んんっ、ふっ、んぅ……っ!」
くぐもった声を漏らしながら、カナタはまたしても絶頂を迎える。
そんなカナタと同じタイミングで、ツカサもカナタの後孔に精を吐き出した。
ドクドクと注がれる熱い愛情に、カナタは目尻から涙を溢れさせる。
──恥ずかしい。
──幸せ。
──幸せで、嬉しい。
短絡的な言葉が、カナタの頭を埋め尽くしていく。
そのうちの、たった一言を……。
「──好きです、ツカサさん……っ」
カナタはピントが合わない視界の中、なんとか必死にツカサへと送った。
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