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 ツカサが詰めた距離のせいで、カナタの後孔にはツカサの熱が押し付けられた。 「好きだよ、カナちゃん。いっぱい【仲直り】しようね?」 「や、だぁ……っ。ナカ、はいっちゃ……だめっ、やぁ……ッ」  いつの間にか回されていた腕により、カナタはツカサから逃げられない。  徐々に後孔へ挿入されていくツカサの男根を、カナタは拒絶できなかった。 「カナちゃんのナカ、熱い……ッ。凄く気持ちいいよ、カナちゃん……ッ」 「は、ぁ……ん、っ」 「カナちゃんも、気持ちいい? だったら、嬉しいなぁ」  蕩けきった声を漏らすカナタに顔を寄せて、ツカサはカナタの耳朶を甘噛みする。  そのまま耳元で「動くね」と囁いた後、ツカサはカナタ体を背後から揺さぶり始めた。 「んっ、ん……ッ! ふっ、ぁ、あっ」  ゆっくりとした抽挿により、カナタの体はすぐさま熱を帯びる。  堪えきれず声を零すカナタを抱き締めたまま、ツカサは再度、耳元で囁いた。 「大好き、カナちゃん。【昨日】みたいなカナちゃん、初めて見た。新しい一面が見られて、凄く嬉しかったよ。俺、もっとカナちゃんを好きになっちゃった」 「あっ、あ、ッ!」 「でも、いつものエッチなカナちゃんも大好き。こうして耳元で囁かれると、すぐにお尻がキュンキュンしちゃうの、ホント可愛い……っ」 「だめっ、だめです、や……っ! そんなっ、奥ばっかり……ッ」  耳朶に歯を立てられ、吐息をかけられることにカナタは弱い。  ツカサに触れられるとどこもかしこも気持ち良くなってしまう今のカナタでは、上手に拒絶ができなかった。  ……無論、ツカサがカナタに【拒絶】をさせるわけもないが。 「凄い締め付けだよ? カナちゃんも、ヤッパリ気持ちいいんだね?」 「ぁあ、ッ!」  グリッ、と。弱いところが、わざとらしく突かれる。  カナタはあられもない声を漏らして、ツカサの腕を掴んだ。  本来ならば、解かせなくてはいけない。回されたツカサの腕を、強引にでも引き剥がさなくてはいけないのだ。  しかし……。 「んっ、あ……ッ! そこ、きもちっ、い……ん、ッ!」  溶かされた理性は、既に仕事を放棄している。  ならば、ツカサの甘言に同意しても良いのでは。甘ったれな思考回路が、即座にカナタを誘惑し始めた。  ──日付が変わったのならば、もう、怒る必要はないのだ。……と。 「ツカサ、さんっ。……ツカサさんっ、ナカ……ナカに、出してぇ……ッ」 「っ! ……うん、いいよっ。いっぱい、カナちゃんのナカに……一番奥に、出してあげるね?」  打ち付けられる腰が、さらに激しさを増す。  その動きに合わせるように、カナタも思わず自ら腰を打ち付けているくらいだ。 「んッ、ぁん、ッ! もっ、イっちゃう……ッ! ツカサさん、ツカサっ、さん……ッ!」 「俺も、もう出そう……ッ。カナちゃん、一緒にイこう?」 「イく、イクっ、イっちゃ──あっ、んぁ、あッ!」  ビクビクと、ツカサに抱き締められたカナタの体が痙攣する。  後孔をツカサの逸物にグイグイと押し付けながら、カナタははしたなく達したのだ。 「ふ、ぁん……っ! ツカサさんの、熱くて……気持ちぃ、です……っ」  ドクドクと注がれる熱に、カナタは譫言のように呟く。  そんなカナタを抱き締めたまま、ツカサも熱い吐息を漏らしていたのだが……当然、カナタは気付いていなかった。

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