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淫らに求めていた欲望が、満たされた。
カナタは肩で息をしながら、大きな充足感に体を任せる。
──しかしツカサは、カナタを休ませはしなかった。
「えっ? なっ、なんで……っ。今っ、出したのに──あ、ん……ッ」
ツカサの逸物はまったく硬度が変わらず、むしろさらに増したくらいだ。
興奮度合いを上げていく恋人を振り返り、カナタは濡れた瞳を向ける。
そこでようやく、カナタは気付いた。
「ねぇ、カナちゃん。もっと、俺のことを叱って……ッ?」
──今のツカサが、どんな顔をしているのか。……そのことに、カナタはようやく気付いたのだ。
「もっと、俺のダメなところを指摘して? もっと怒って、叱って、注意をして? 俺の良くないところを、いっぱいいっぱい教えてよ。ねぇ、いいよね? ねぇ、ねっ?」
「やっ、ん……ッ!」
一度、逸物が引き抜かれる。カナタの体を、横向きではなく仰向けにするためだ。
体の向きを強引に変えられたカナタは、興奮状態のツカサに言葉を返そうとした。
……しかし。
「あっ、ぁあ……ッ!」
深々と男根を挿入されては、カナタに為す術はない。
カナタの手を握り、ツカサはうっとりとした表情でカナタを見つめた。
「可愛い、俺だけのカナちゃん。世界で一番、なによりも誰よりも、比較にならないほど可愛い……ッ。……ねぇ、だから、いいよね? 俺のこと、もっと叱ってくれるよね?」
「な、んで……っ? なんで、そんなに叱られ──はっ、あ、っ!」
「『なんで』? だって、嬉しいからっ」
カナタの華奢な体を犯しながら、ツカサは口角を上げる。
「──カナちゃんが『イヤだな』って思うことを教えてくれたら、俺はそれを改善できる。そうすれば、俺はもっとカナちゃんの【理想とする俺】に近付けるでしょう? 俺がダメなところを直せば、カナちゃんはもっともっと俺を好きになってくれる。カナちゃんがもっともっともっと……俺に夢中になってくれるんだよ? だったら俺、カナちゃんに叱られたい。改善して、いい男になって、理想に近付いて……カナちゃんの心に隙間がなくなるくらい、カナちゃんの内側を【俺】でいっぱいにしたい。……だから、俺を叱ってよっ」
あまりにも蠱惑的で、妖艶で。……どこか、危険を孕んでいるような笑みを、ツカサはカナタに向けた。
「ねぇ、こうして乱暴に奥を突くのはダメ? イヤ?」
「だ、めっ。オレ、おかしく──んん、ッ!」
「あはっ、ウソ吐きっ。カナちゃん今、出さずにイッたよね? じゃあ、これはイヤじゃないんだ。……なら、こうして断続的に浅いけど弱いところを突くのは?」
「それも、だめぇ、っ! あっ、ぁあ、ッ!」
「あははっ、またイッちゃったねっ? 締め付けが凄くて、俺もイくところだったよっ」
何度も果てているカナタを見下ろして、ツカサは瞳を細める。
「はぁ、可愛いなぁ。お尻でこんなに感じちゃうカナちゃん、ホンット可愛い。……思えば、初めからカナちゃんはツンデレさんだったのかな? 気持ち良くても『ダメ』って言うもんね? 素直じゃないところも可愛くて大好きだから、俺としては問題ないけどさ」
「やっ、ぁ、んん、ッ! 待って、またイッちゃ……ッ」
「じゃあ、次は俺とイこっか。カナちゃんのナカ、俺のをいっぱい締め付けてくれるから気持ち良すぎてヤバい……っ」
カナタの腰をしっかりと掴み直して、ツカサはカナタとの距離を詰めた。
「それで、もう一回シよう? 俺、昨日はカナちゃんに全然触れなくて足りなかったからさ。俺の寂しさ、カナちゃんがたくさん埋めて? それでカナちゃんの寂しさを、俺に埋めさせて?」
微笑むツカサを、カナタは直視できない。
「んっ、んぅ……ッ!」
なぜならすぐに顔が近付き、キスを贈られたのだから。
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