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 ──後ろから、最愛の人に犯されている。  背徳感にも似た行為に、カナタは吐息を漏らしながら、内腿を震わせた。 「カナちゃん、可愛い。お尻突き出して、俺に『もっと』って言ってるみたいだよ」  背後からカナタを犯すツカサは、いじらしいカナタの姿を見て口角を上げている。  その表情は生憎と視認できないが、カナタにはツカサの声だけで『ツカサが笑っている』と分かった。 「ん、んぅ……っ!」 「……はぁ、気持ちいい。きゅうきゅう締め付けてきて、ホント最高……っ。カナちゃんのナカ、今日も凄くいいよ」  真っ直ぐに褒められ、内容が内容ではあるものの、カナタは嬉しさからポポッと頬を赤く染める。 「ツカサさんの、も……凄く、気持ちいいです……っ」 「ホント? 男としてはこれ以上ないほど嬉しい言葉だなぁ」  うなじにキスをした後、カナタの背中をツカサの指がなぞった。普段通り冷えた指の感触に、カナタの背筋が粟立つ。 「ツカサさんの指……いつも、冷たいですね……っ」 「そうかな? 冷え性ってワケじゃないから、あんまり気にしたことなかったなぁ。……イヤ?」 「やじゃ、ないです……っ。……体、熱いから……気持ち、いい……っ」 「ふふっ、そっかぁ。なんだか嬉しいなぁ」  ツカサが呟いた後、二人の距離がぐっと縮まった。 「お礼に、もっといっぱい突いてあげる」 「は、あっ、あ、んっ」  両手でカナタの華奢な腰を掴み、ツカサは何度もカナタの内側を穿つ。  断続的に与えられる快感に、カナタの体は堪らずビクビクと震えてしまった。 「出さずにイッてるね。何度も何度も、ナカが収縮して気持ちいいよ」 「これ、恥ずかしい……っ。ツカサさん、やだぁ……っ」 「そう? でも、俺はそんなカナちゃんも大好きなんだけどなぁ」 「……っ。……それ、なら。ツカサさんが好きなら、いい、です……っ」 「うっわ、凄い殺し文句。カナちゃんに愛されて、俺は幸せ者だよ」 「ぅあ、ッ!」  ズプ、と。最奥を突かれたカナタの視界が一瞬、チカチカと明滅する。  依然として腰を掴まれたままのカナタは、ツカサから逃げることができない。無論、カナタには当然、逃げる気はなかった。  ……逃げる気は、ないのだが。 「ツカサ、さ……っ。……ツカサ、くん……っ」 「ん、なぁに?」 「ギュって、してっ。強く、抱き締めてほしい……っ!」  腰を掴まれているだけでは、足りない。後ろから犯されているこの体勢では、どうしてもカナタからツカサに抱き着けないのだ。  後ろを振り返り、涙ながらに懇願するカナタを見て、ツカサは口元を嬉しそうに緩ませた。 「うん、モチロン。……愛しているよ、カナちゃん」 「ひ、あ、ぁあ……ッ!」  思えばこの数日、ツカサにここまでしっかりと愛されていなかった気がする。  体は重ねていたものの、ツカサはどことなく心ここに在らずの状態。ぞんざいに扱われていたわけではないが、普段から異常なほどツカサの愛を向けられ続けていたカナタは少し、寂しさを感じていたのかもしれない。 「好き、っ。ツカサ君、大好きっ。好きっ、すきぃ……っ」  振り返ると、キスが贈られて。目を向けると、微笑みが返される。  ──もう、大丈夫そうだ。カナタは快楽に頭を支配されながら、ぼんやりとそう思った。 「カナちゃん、ナカに出していい? それとも、背中にかける?」 「ツカサ君は、どっちがいいの……っ?」 「ん~……。……両方かなっ」 「じゃあ、どっちもする……っ。オレ、先にナカがいいから……その後に、もう一回、シよ……っ?」 「さすが俺のカナちゃん、賢いね」 「んっ、えへへ……っ」  ドロドロに甘やかし、ドロドロに甘やかされている。  どことなく頭の悪い会話をしているなと気付いていながらも、カナタは内側でツカサの熱を受け止めた。

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