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③ : 6 *

 後ろから抱き締められたまま、カナタは体を震わせる。 「んっ、ん……ッ。ツカサ君、や、ぁ……ッ」  それは、数分前。カナタの素肌をまさぐり始めたツカサは、すぐさまカナタの体が悦ぶポイントを何度も攻め始め……お約束とも言える展開に、突入した。  上半身を撫でられ、辱められるだけではカナタが満足できるわけがない。カナタはすぐにツカサとの性交を求め、瞬く間に後孔を解され……気付けば、現在。 「は、ぅ……っ。ツカサ君の、が、奥まで……っ」  カナタは背後に座る男から、しっかりと犯されていた。  赤くなった顔をツカサへ向けることもできないまま、カナタは体を小さく震わせる。根元まで挿入されたツカサの逸物を受け止めるので、精一杯なのだ。 「カナちゃんから求めてくれるの、凄く嬉しい。……カナちゃん、気持ちいい?」 「きもち、いい……っ。だけど、まだ、まだ動かないでぇ……っ」 「うん、分かったよ。もうちょっと、このままでいようね」  きゅうっと後孔を収縮させると、ツカサの熱が怖いほどに伝わる。  伝わった熱は、はしたないカナタを見てツカサが興奮してくれているという証拠でもあった。カナタの胸は言葉にできない甘さで、キュッと締め付けられる。 「カナちゃん、大好き。……好きだよ」 「あっ、ぁ……ッ」 「俺が『好き』って言うと、体がピクピク震えるね? 何回言われても、カナちゃんはいつも喜んでくれる。それがね、俺は凄く嬉しいよ」  カナタの体をしっかりと支えて、さらに距離を詰めながら。 「イヤになるまで、何度でも『好き』って言ってあげる。……イヤになんか、ならせないけどね」  ツカサはぽやんと放心しかけているカナタに、そう囁いた。  潤んだ瞳で、カナタはツカサを振り返る。そうするとすぐに目が合い、微笑みが返された。  ツカサの笑顔を見て、さらに胸が詰まる。カナタは体重を背後に傾けて、そのままツカサにもたれかかった。 「……『好き』って、言って?」 「うん。大好きだよ、カナちゃん」 「もっと、言って……っ?」 「うん。好きだよ、カナちゃん。今朝も、昼も、今晩も、今も。ずっとずっと、カナちゃんのことが好き」  まるで子供を寝かしつけるかのように、優しい声。ツカサはカナタを抱き締めたまま、落ち着いた声で何度も愛を伝えた。 「は、ぅ。ん、っ」  ゆっくりと、ツカサがカナタの体を揺さ振り始める。カナタの体が挿入された異物に慣れてきたと、カナタとの数え切れない性交による経験で、ツカサは気付いたからだ。 「あっ、あ、っ」 「俺もカナちゃんの気持ち、聴きたいなぁ?」 「んッ。あっ、す、好きっ。ツカサ君が、好きっ」 「ふふっ、嬉しい。……それにカナちゃんのナカ、凄く気持ちいい。お尻でも『好き』って言ってくれてるみたいで、興奮しちゃうなぁ」 「ツカサ君の、エッチ──あッ、ん、ッ!」  体を揺さ振られると同時に、ベッドが軋む。  このままではいつか、マスターに情事の音がバレてしまうのでは。いつもカナタはそう考えてしまうが、そんな心配は数秒あればツカサによって、いとも容易く剥ぎ取られてしまうのであった。

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