「……俺は、エリサに言われたことを実行しているだけだ。それ以外は何もない」 「簡単な話だ。私がエリサに仕事を依頼する。ただそれだけの話だ」 「……承知した。それで、まずは何をすればいい？」 「これから、この三人と共に任務を依頼するかもしれない。仲良くしてくれ」 「えっ！？　それってお話ししていいってこと？」 　ハインの言葉に、ミッチが顔を輝かせながら問う。しかし、返事を聞く前に、ヴォルツの腕に自らの腕を絡ませる。 　そんな過剰な接触に、当の本人はピクリと驚きの反応を示すが、振り払おうとはしなかった。 「ミッチ。あまり彼を驚かせないように。私としては、皆とこのまま親睦を深めてほしい」 「だってー。ねぇ、これからミッチと一緒に行動するかもしれないし、お互いのことを知ってた方がいいんじゃない？」 　上目遣いでヴォルツを見つめ、まるで誘惑をしながら彼の視線を離させないようにしている。 　そんな接近を今までされたことのないヴォルツ。下手に跳ね除けて怪我をさせてしまいかねない、とただじっとすることしかできずに困惑しながらミッチを見つめる。 「嫌、かな……？　ミッチはヴォルツとお話ししたいなぁ……」 　ねこ撫で声で囁く。嫌とは言わせない、とさらにヴォルツに迫る。