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2-(5)※

 柔らかな頬肉をごつんとつつかれる。白い頬が、飴玉を舐っているみたいにぽこぽこと膨らんだ。三本の指は代わるがわる動き、喉の奥まで蠢いていく。上顎の柔らかなところをぐりぐりと撫でられて、反射的にえずいた。自由に口を閉じられず、ルトの瞳に涙が浮かんだ。 「んぇ、えっ、っ、ぅ、うぅーっ……ぁふっ!」  もう限界だ、抜いて、抜いて。ルトは顔を左右に振ってどうにか太い指を抜こうとした。抵抗するなと言われてもこのままでは苦しくて。  思いが届いたわけではないだろう。しかし獣人の指はずるんと抜けた。たっぷり唾液を掬い取った三本の指は、絡ませた透明な液をいやらしく滴らせる。  涙で滲む視界で、濡れた指先の行方を追う。でも途中で見えなくなった。進んだ先はルトの下半身だったから。いや、正確に言えば、大きく開かされた足の間だ。 「ひゃ、あっ」 「硬いな。やっぱ初物は違うか」  ちっ、と獣人が舌打ちした。はつもの。またルトのわからないことを言われた。 『はつもの』は狭いだの硬すぎるだの、奥まで入りきらないだの拡げるのが面倒だのと、訳のわからない言葉ばかりを並べ立てる。するとさっき口を弄んだ指先が、ためらいもなく後ろの穴をこじ開けた。 「んぁっ、たッ、ぃ……たいっ――アぁっ!」  足の間からぎちぎちと軋む音が聞こえる。ルトの唾液に濡れた指の腹で、蕾んだ固い穴をこねくり回された。湿った感触が気持ち悪い。無意識に藻掻けばぐりぐりと押し開かれた。  ルト自身のぬめりを借り、ぐぐぐと分厚い指が体内に押し入ってくる。ごつい指が、柔らかな粘膜を擦りながら突き破った。 「あっ――やぁっ」 「おい、尻の力を抜け。痛いだけだぞ。まだ指一本だっつの、先しか入らねぇ」 「や……っ」  力の抜き方なんか知らない。そんなところに異物を入れたこともない。冷や汗をかいて、いやいやをするように視界をきつくつぶった。力が入りすぎて丸まった足の指先がぷるぷる震える。  だが焦れたのか、ゆっくり這う指が一気に根元まで挿入された。無理やり腸壁を掻きわけられて腹の中が重たくなる。獣人の硬い皮膚で、柔肉を串刺しにされたようだった。 「ふぁっ……あっ、あっ」

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