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 衝撃で大きく口が開きあえいでしまう。息も吸えないのにぱくぱくと閉口した。押さえつけられた身がぴちぴち跳ねる。水揚げされた魚と同じだ。自由を奪われ呼吸を奪われ、相手の好みに調理されて美味しく食べられる時を待つ。  身体を震わせるだけのルトに、獣人は追い打ちをかけた。突き入れられた指が、体内に馴染む間もなく数回中でしごかれて、さらに新たな指が入り口に添えられる。そのまま力任せに二本目を挿入された。 「ぃぎっ」 「くくっ、すっげぇ。きっつきつだ。まだたった指二本なのによ。これで俺の、勃起したのを咥えるんだからなぁ。――あー、ガキはあったけぇな」 「んぐっ、ぇ」  ルトの喉からひしゃげた声が出る。格好だけじゃなく声もカエルみたいだなと獣人が笑った。  隙間なく埋められた二本の指は、狭い腸壁をえぐりながら出入りする。浮いた白い胸を激しく上下させれば、腹の中の異物を締めつけて苦しさが増した。中を抜き差しする固い指の動きが、腹の下で薄い肉襞ごしにわかった。  みっちり埋められた腹の中で、ぐるりと円を描かれる。狭い腸が押し上げられて、指の抽挿が早くなった。腸壁を突かれ、擦られ、ハサミの形に広げられる。刺激された肉の輪がぽっかり空洞を作り、熱くなった粘膜に冷えた空気が流れこんだ。 「くふっ、うっ、うぅっ、ぅっ」 「ここまでやってやったんだ。あとは好きにさせてもらう」 「やっ、な、に……っ」 「ほぐれ切ってないが……、構わねぇな」 「――あぁッ!」  体内に埋まる指が遠慮なく引き抜かれ、細い腰が真上から持ち上げられた。散々いじられて、ひくつく穴に湿ったものが当たる。何を押し当てられたのか。ルトが気づく前に、熱く脈打つものが狭い内壁を引き裂いた。 「ああぁ――っ、ううぅっ、ぐっ」  声にならない激痛がルトの腹を突き破る。身体の中から、熱の棒を入れられたよう。ぎちぎち焼ける痛みに、中をきゅっと締めつけてしまう。だがむなしく、太すぎる熱杭はさらに強引に貫いた。

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