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第三話 暗雲の兆し

「――あっ、あっ、……んぁぁっ」 「ほら、そろそろ出すぞ」  延々と揺さぶられ、がぁんと最奥を突かれた。衝撃で反り返るしかない身体を床に倒される。えぐられすぎてじんじんする体内で、獣人の熱が膨らむのを感じた。  切れた肉の輪も、擦られすぎた粘膜も、すでに感覚さえ不確かだ。だが体内でどんどん膨張する男根は、引っ掻き回されて鈍麻した肉壁でも、はっきり感じられるほどだった。異常なほどに。 「んぅっ、な、ぁ……っ」 「俺は狼族なんでね。根元で抜けねぇように、ロックするんだよ。なんせ、長いからなぁ――小せぇ腹に、俺の精液をたっぷり出してやれるぞ。最後の一滴までな。全部注いでやる」 「ぁあっ……やぁぁ……っ」 「――あっ、あっ、……んぁぁっ」 「ほら、そろそろ出すぞ」  延々と揺さぶられ、がぁんと最奥を突かれた。衝撃で反り返るしかない身体を床に倒される。えぐられすぎてじんじんする体内で、獣人の熱が膨らむのを感じた。  切れた肉の輪も、擦られすぎた粘膜も、すでに感覚さえ不確かだ。だが体内でどんどん膨張する男根は、引っ掻き回されて鈍麻した肉壁でも、はっきり感じられるほどだった。異常なほどに。 「んぅっ、な、ぁ……っ」 「俺は狼族なんでね。根元で抜けねぇように、ロックするんだよ。なんせ、長いからなぁ――小せぇ腹に、俺の精液をたっぷり出してやれるぞ。最後の一滴までな。全部注いでやる」 「ぁあっ……やぁぁ……っ」  獣人がルトに覆いかぶさる。結合部をくちくちと動かされるが、膨らんだ根元で固定され、体内で振動を伝えるだけだった。激しい突き上げは止んだが、腹の奥でびゅっびゅという脈動とともに熱い波を叩きつけられる。腹の中に、溢れる獣人の体液を注ぎこまれた。とつとつと、さざ波が押し寄せる。  獣人の満足そうな息がルトの顔の横で聞こえた。自分を虐げる重みなんて感じたくもない。ぎゅっと目をつぶれば、指先ひとつ動かせなくなったルトの頭上で、涼やかな声がした。  熱に浮かされている獣人の声色ではない、ひどく、冷えた声音だった。 「なんだ、まだ終わっていなかったのか」  今、ルトを食い潰す獣人とは明らかに違う声だ。伸し掛かる獣人の隙間を縫って、ルトは霞んだ視界を声へ動かす。そこには黄金の獅子がいた。  その姿は、耳と尻尾がある他の獣人と変わらない。だがルトの目には、黄金に包まれた若獅子のように映った。  圧倒的な威厳で他者を跪かせる風体だ。ひと睨みされただけで、逃げ出すことはおろか、わずか一ミリでも動けば喉元をしとめられる。 「いつまでかかっている。人間が後宮に着き、余がここに来るまで……お前らに与えた時間は一時間だと、言っておいたはずだ」 「陛下」  いまだルトの身を軽く揺さぶっていた獣人がぐ、と腰を押しつけながら、威圧を放つ獅子を見上げた。詮をして抜き差しができないというのに、奥を揺らされて小さく呻く。こんな痴態を晒し、平然とするなんて信じられない。

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