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4-(11)※
「こいつは……、ふたなりか? なるほどお前か、完成体は。しゃぁねぇ。お前は種を仕込まなくても、こっちで獣人を悦ばせて子を成せる。せっかくできた女の中を弄りたいが……、破瓜を楽しむ獣人もいるしなぁ。……まぁ小指一本なら平気か?」
「ひゃっ! やぁぁっっ、ぃいたぁぃぃ……っ!」
エミルの身体が硬直した。おそらく女性器の穴に指を入れられたのだ。あまりの痛がりように、魔術師が短い息を吐き捨てた。
「ちぇっ、小指一本でもこんなにきついのかよ。こりゃ根元まで押しこむのは無理だな。けど今からこんなんじゃあ、破瓜に耐えられるのかね」
ぶつぶつ言いながら、早々に次の穴に移る。エミルがくたりと、全身を床に投げ出した。大広間には少年たちの喘ぎ声がひっきりなしに響き、ようやくすべての魔術師が手を止めた。
「――さて、もう十分であろうの。お前らの体内に種を撒いたぞ。あとは、獣人たちにたくさんの子種を注いでもらうがよい。随分ほぐしてやったからの、すぐに獣人を、受け入れられるやもしれん」
息を切らして身を伏せるルトたちを愉快気に眺め、前方に立った魔術師が言う。続けて、仲間のひとりに顔を向けた。
「私は陛下に準備が整ったと伝えに行く。アードルフ、そなたらは、潤滑油で汚れた身体を清め、下衣を着せてやれ。今日こやつらを使う獣人たちに、失礼のないようにの」
「心得たぞ、総帥殿」
ルトとエミルを嬲った男だ、にやにやと、ちゃらけた様子で引き受ける。総帥という魔術師は、呆れをみせて早々に大広間を去った。
残る魔術師たちの手が、べとべとになった剥き出しの下半身へ再び伸びる。素肌をなぞられ身を竦めるが、痛みはなく、小さなつぶやきが聞こた。
太ももに粘つく液体を、魔術師の手のひらが吸い上げていく。熱気を含んだ送風がどこからか流れてきた。ねとりとする感触を、跡形もなく拭われたのだ。
身を清めた順に、乱雑に脱ぎ捨てた下衣を履かせられる。だが身じろぐたびに、体内に挿入された核種胎の位置が変わって、敏感に刺激された。
熱い吐息を紡いでいれば、魔術師総帥が五人ほどの獣人を連れて戻ってきた。ひとりの獣人と、紫水の瞳がかち合う。ルトは思わず悲鳴をあげそうになった。とっさに視線を逸らす。瞬間、獣人の唇が微かに弧を描いたように見えた。
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