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第五話 悪夢の再来※(残酷描写あり※※食道姦、途中前置きあり)
余裕の表情で、どっしり歩く緩やかな動きは決して俊敏とは言えない。だが軍服の上からでも、彼の体躯の良さは際立っていた。
目鼻筋の整った顔立ちに厚めの唇。舌なめずりする赤い舌が、ちろりと覗く。艶やかな黒髪と、ふぁさ、と揺れる黒い尻尾。輝く光を吸収する黒の瞳はルトを射抜いて放さなかった。
今、ルトは捕食されようとしている、漆黒の狼に。
「や……っ、いや……」
視線さえ逸らせずに、ルトの身体ががくがくと震えだす。尻もちをついて後ずされば、隣にいたエミルとぶつかった。
「やだぁっ……」
エミルが悲痛な声をあげる。鼓膜をつんざく悲鳴に我に返って振り返れば、ルトよりも細い腕は山猫の獣人に握られていた。さらにもう片方の空いた腕も、大鷹の獣人に掴まれている。両方の腕を左右から引っ張られ、エミルの小さな身体は軽々と浮き上がった。
「いやぁ!」
「このシーシェル色の足環が、今回の完成体らしいぜ。できたてのふたなりだ。前も後ろも、破瓜はまだって話だ」
「そりゃいい。処女膜を破るのはどっちにする?」
「俺のブツは、山猫族でもひと際大きいんだ。できあがったばっかの未開通の穴は、とても無理だ。根っこまで挿れてぇんだ、処女穴はお前に譲ってやる。かわりに俺は、後ろの初穴をもらうぞ。いい具合に、拡張してやるよ」
「よし決まり! じゃあ初めては俺が。これの奥までしっかり広げて、お前のデカブツでも、挿入できるようにしてやる。たっぷり可愛がってやるぜぇ」
「い……いやっ……やだっ、たす、助けて…っ、ルト、るとぉ……っっ!」
丸い頬に幾筋もの涙を浮かべたエミルが、自由になる足をばたつかせて抵抗する。だが両方から二の腕を掴まれて、持ち上げられた両足は、絨毯の上を虚しく滑るだけだった。
宙を蹴るエミルの細い足首には、淡いピンク色の石が光る。獣人たちがシーシェル色といった、柔らかな貝殻を連想させるはかない色が。
「エミルっ」
反射的に、ルトは獣人に引きずられるエミルに手を伸ばした。しかし当然エミルには届かない。どころかとっさに突き出した腕は、誰かの太い腕が絡まるように、後ろから掴まれた。
「――っ」
「俺を忘れてもらっちゃ困る。こんなときまで、よそのオモチャの心配かよ。ったく、てめぇの相手は俺だろうが」
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