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「開門の儀が成されてからの一週間は、食事と入浴、睡眠、あとは獣人の相手をしているとき以外は、大広間で待機してなきゃ。この国の獣人たちに、君の顔と身体を、しっかり覚えてもらわないとね。自分の孕み腹を選ぶ権利は獣人にあるんだよ」 「な、なにを言って……」 「だから。君は今から大広間に戻って、後宮まで来た獣人に顔を見せなきゃなんないってこと。孕み部屋の浴槽は、君たちも使っていい。べたつく身体と、ついでに中に溜まった精液も洗っておいで。一通り綺麗になったら、また新しい獣人が君を抱いてくれるよ。たくさんの子種をかけてもらえば、強い獣人の力に反応して、君の中に取りこまれた種も、早く実る」 「う、うそ……、なんで、もう、終わった、終わったのに。もういや。いやだ」 「終わらないよ、ずっと」  それが繁殖用に飼われた、ツエルディング後宮に身を寄せる孕み腹の役目だ。ルトたちの意思など関係ない。ただ獣人に犯されるだけの存在であればいい。嫌がろうが恐れようが、心が折れようが。  必要なのは子を宿しにくい獣人の子孫を確実に残す腹と、獣人たちの強い性欲をいつでも発散できる穴があればそれでいい。獣人の巨体に引き裂かれて傷つくだろう幼い身体は、魔術師がすぐに治してくれる。  顔色をなくして震えるルトに、エグモントは冷ややかに笑っていた。 「俺はもう帰るけど。また君で遊ばせてね。……ああ、言い忘れてた。ここで逃げようなんて考えたら、獣人と魔術師に怖いお仕置きをされるよ? そうだね……次の獣人の準備まで十分くらいは、くれるんじゃない?」  大広間に戻らなければまた足輪が振動する。だから早く戻れと言い捨てて、エグモントは繁殖用の部屋を出た。  べとべとに汚された身体を自分で清め、また差し出す。顔も名前も知らない獣人に、犯されるために。惨めだった。広いベッドの上でひとりになったルトは呆然とする。いっこうに震えが止まらない自分の身体を、自身で強く抱きしめていた。 ***  後宮の扉が解放された日、ルトは何人の、どんな獣人のいびつなペニスを体内に入れ、彼らの精を中に受け止めたのか覚えていない。五人目くらいは覚えていたがあとは数えるのをやめたからだ。

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