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 細い首を、薄い肩を、震える脇腹を。長い腕が、ルトの隅々まで貪欲に戯れてゆく。ふるふる動く薄い腹の上で、分厚い手のひらが止まり、ぺたんこの下腹部をまさぐられた。そこには何もないだろうに、大きな手は何かを探るように執拗に揉みしだく。  最近なぜか毎回腹をさすられる。痛いことはなにも始まっていないのに、緊張で汗がにじんだ。  怯える素肌をつたう手のひらが、いつルトの秘部に辿り着くか。すでに何度も受け入れた行為を、ルトの蕾はいまだに拒絶する。きゅっと閉じる入り口を太い指先で開かれる瞬間は苦痛でしかなかった。強張る身体が無意識に息を詰める。襲い来る荒い波に哀れなほど喘ぐ、平らな胸をさすられた。  全裸で寝ころぶ薄ら寒さから、つんと飛び出る赤い突起が気まぐれにかすめ取られる。大きな体躯のラシャドを足の間に挟み、ルトは与えられる刺激に唇を噛んだ。 「んっ」 「噛むんじゃねぇよ、力を抜け。痛ぇだけだっつってんだろ。ったく……いつまでたっても慣れねぇな、てめぇの身体はよ」  ラシャドが苛ついた声で言う。でもそんなの当たり前だ。ルトが望んだ行為じゃない、慣れることなどできない。  何度ラシャドに抱かれようといろんな相手と回数をこなそうと、怖いものは怖い。こんなの痛いだけだ、苦しいだけだ、情けない。汚らわしい。ルトはひたすら身を竦ませる。馴染もうとしないルトへ仕置きだと言うように、中心にある象徴をぐゅっと強く握られてしまった。 「――んあっ」  何度目かの行為から、ラシャドはよくそこを触るようになった。幼い子が初めて目にする不思議な生き物を、興味津々につついてみせるような、悪戯な手付きで。包皮をかぶった小さな性器は行為中も縮んだまま、垂れさがるだけなのに。  村にいる頃はときどき夢精をするだけで、自分で弄ったこともなかった。シーデリウムの後宮に来てからは、夢精どころか勃起さえしなくなった。  本能の役割を忘れたルトの性器は、色も形も大きさも未熟だ。しおれた茎をくにくにと揉まれ、擦られ、先端の皮を躊躇なく剥かれた。 「あぁっ」  皮膚が剥がれるピリッとした痛みが全身に走る。だが勃起しないそれは、完全には剥けなかった。くっつく皮膚をずり下ろされた痛みに声を上げれば、ラシャドが小さく笑った。 「こんな弄っても剥けねぇのかよ、ふにゃふにゃだな」 「んぅ……っ」

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