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 ルトの白い頬が羞恥に赤く染まる。涙の膜で潤む紫水の瞳を、くっと閉じて身をくねらせた。汗が滲む首筋に、ラシャドの息がかかる。どうしてラシャドはいつも、ルトの痴態をすぐそこで凝視してくる。  震えるルトを大きな手と眼差しで犯しながら、熱を持った吐息が下がっていく。息遣いは、ルトの薄い臍の下で止まり、高い鼻先を押しつけてくんくんと匂いを嗅がれた。これも最近よくされる行為だ。ルトはただ、されるがまま。  散々触ってようやく満足したのか。ラシャドはルトの素肌と陰茎を嬲るのをやめた。押しつぶされそうな重みが消えて薄目を開ける。身を起こしたラシャドは、ベッドで転がっていた潤滑油を手早く拾っていた。きっとルトたちの前に誰かが使用したものだ。 「ぁ……っ」 「そのままだ。足開いとけよ」  ルトの自覚を促すためだけの発言だ。言われなくても、ラシャドの大きな体躯が足の間にあるのだから閉じられるはずもない。幼い性器の上に潤滑油をぼとぼと落とされた。冷たさに、ルトの下半身がぴくんと揺れた。淫らに開かれた股はあっというまにべとべとだ。  潤滑油で滑る太ももを、ラシャドの手がぬるぬると撫であげて、小さな蕾に到達する。毎日数えきれないほど、代わるがわる使われるルトの入り口は慎ましい。  巨体の陰茎を挿入される穴は、魔術師から定期的な点検を受けている。酷使される精神的な苦痛は残るものの、獣人を何度も受け入れる小さな身は、凌辱の痕跡をひとつも残していなかった。  どんなに凶悪な性器で擦られても、肉襞がめくれても、ルトの穴は色も形も変えることはない。男根を知らない処女のように振る舞う。しかしそれは、貫かれる一度目は、初めての痛みをルトに毎日与えるのと同じだった。 「うぅ…っ、あっ」 「くそ狭ぇ。今日はまだ、誰にも使われてないのか。ほぐれもしてねぇな」  指先を挿入したラシャドが閉じ切った感触に眉をひそめる。昨夜はぼろぼろに抱き潰されて、どこかのベッドで動けなくなっていた。  動く気配がないルトの様子を見に来たのだろう。突然現れた魔術師に治療され、やっと本来の寝台に戻れたのだ。

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