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 そして今、起きぬけにラシャドに挑まれているのだから狭くて当たり前だ。治療されず、一回でも獣人を受け入れたあとならば緩んでいただろうが。 「んく、い、いた、痛い、よ……っ」 「我慢しろ、てめぇの穴は小さすぎんだよ」  ぎちぎちと挿入される痛みにルトが身をよじる。ラシャドは面倒そうに、突き入れた指を前後左右に動かした。 「ァあっ!」  電流を流されたようにルトの身体が慄く。だが埋めこまれる指が臆することは当然ない。どころか慣れた行為だ、指の数はどんどん増やされていった。  大量に垂らされたぬめりを借りて、にちゅにちゅと数本の指が行き来する。どこをどう突いて、引いて、回せば、ルトが広がるのかを、すでに知り尽くした動きだった。 「そろそろだな、挿れるぞ」 「んンぅっ――ぃはっ、うっ、うっ、うぅーっ」  ラシャドの逞しい切っ先がルトの肉壁を擦りながら押し進む。内臓を直接嬲られる衝撃は、ルトの心を幾度も打ち砕いた。汗を飛ばしながら細い腰が跳ね上がる。浮いた裸体を、ラシャドの大きな手が逃がすまいとがっしりと鷲掴んだ。  ――また、今日も。顔も名前も知らない獣人たちの間で、入れ替わりに犯され続ける一日が始まった。  いったいいつまでルトは自分を保てるだろう。理不尽な暴行に屈するのは難しいようで簡単だった。自分の心を捨てればいいだけだ。がむしゃらに握り締めるものを、ただそぅっと手を開いてみせればいい。  抗い続けることのほうが、よほど難しいのだと骨身に染みる。それはひたすら自身の葛藤の渦にもまれる、誰の理解も得られない孤独との戦いだ。絶え間ないラシャドの律動を感じながら、ルトは頼りない小さな手のひらを見つめ、ぐっと握り締めた。

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