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 急に再開された、容赦ない動きにルトの身体が硬直する。頭上の拘束が解かれても衝撃で動けなかった。ぴんと張りつめていれば、ぐちりと指先が繋がる場所にぬめった液体が落とされる。  ぬめりを借りた太い指で、ルトの内部をずどんと犯された。強張ってぎちぎちに閉じた肉壁を裂かれ、ぱっくり広げられていく。ひく、と収縮する体内の襞を、太い指の腹でそろりとなぞられた。柔らかな粘膜が、硬い皮膚で擦られてゆく感触を身の内から敏感に拾う。ルトの肌が粟立った。 「んぁあっ、あぁ、あぁッ――、あっ」  じわじわ、奥まで、挿入ってくる、ルトの奥まで。指で触れられていないはずの腸の内壁が、これから与えられる刺激を待ちかまえ、ずぐゅと疼いた。今撫でられている、ラシャドの指で届く入口じゃないところ。もっと奥だ。薄い臍のなか、ルトの奥が。  ルトではどうしようもできない腹の奥が、ずぐずぐする。そこじゃない。太い指が抜き差しされて振動するたびに、最奥がむず痒くなる。そこを、擦ってほしい。そこはきっとラシャドの逞しい男根が、ルトを直接さするだろう場所だ。 「あっ、あッ……っ、あぁ……ッ」  どうして、嫌、嫌なのに。こんな、身体の奥が震えていくなんて。恐怖ではなくて、期待で。こそばゆくてくねくねと身をよじらせても、自分じゃどうにもできなかった。すがりたくて、たまらずラシャドの服をきゅっと掴む。喘いだ耳元で、短い息が低く唸った。 「は、ここは嫌がってなさそうだ。お前の穴は、だいぶ俺に馴染んだな。毎日何度も突っこまれりゃ当然か。もうとっくに、抱かれ慣れた身体だ。コレが、奥に欲しいんだろ。そのうちコレなしじゃ、いられねぇようにしてやる」  挿入された指を悪戯に広げられ、ラシャドの逸物を押しつけては離される。指ではない、熱い猛りをルトの入り口が感じ、ひくんとさらに疼いた。  狭い体内を異物で貫かれるとき、長大なものを出し入れされるとき。どこでどんなタイミングで呼吸をすれば楽になるのか、力を抜けばいいのか。少しずつルトの五感が記憶する。  魔術師の点検で処女のような痛みを味わっても、逆らわず従順でいれば、覚えこまされた身体は順応するのも早かった。 「ひぁっ、うぅっ、んぁっ、や、やぁっ、ほんとに……っ、やぁぁ――っ!」

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