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 精力的な馬の獣人はルトの中に新たな精液を注ぐと、放り出したアナルプラグをまた嵌めてきた。そのせいで今日はほぼ一日中、玩具と精液を体内に入れっぱなしだった。その後のことは、思い出すだけで気が遠くなりそうだ。  馬の獣人の後もいろんな陰茎を受け入れては、その気になった相手にアナルプラグを抜き挿しされたのだ。  パーシーと話しているのに、本当に数秒だけ意識が薄れていたのかもしれない。無意識に力の抜けた指から、かちゃんと音を立ててスプンが落下した。 「ルト? ねぇ、ほんとに大丈夫? 真っ青……」 「だい、じょうぶ……ごめん、心配かけて」  不安そうに顔を覗いてくるパーシーに笑おうとして失敗した。  かわるがわる獣人に抱かれる合間に、何度も足環の色も確認した。今もこっそり見てみれば、アメジストの色がルトの左足首で輝いている。その事実に安堵しながら、一方でラシャドの、もしくは今日ルトを抱いたその他大勢の獣人の子を孕んでいたらと思うと気が重い。  重なる凌辱に加え凶悪なアナルプラグで遊ばれて、偽子宮をほのめかされて。ルトは無意識に自分の腹を探る。念入りに手を当てたら、自分でもわかるしこりの微かな感触に吐きそうだった。  先ほどやっと身を清めたルトの体内には、複数人の精液はもう残っていないはずだ。それなのに下腹部がぐんと重たくなる。生臭い匂いまで鼻にこびりついていた。順番に、大量の精子を吐き出されたから、激しい性交の責め苦で尻の穴からじくじく膿んでいるようだった。  確かにいつもに増して、疲れが残っているのだろう。ルトも内心楽しみにしていたのだが、このまま無理を押してエミルのところへ行っても、逆に気をつかわせてしまうだけだ。 「ごめ……。俺、やっぱり少し休んでくる。ラザたちが来たら……」  気持ちの悪さをこらえてパーシーを見れば、焦げ茶色の瞳が何度もうんうんと頷いた。 「無理しないでね、ラザたちには僕が言っとくから、先に休んでてー」 「ごめん、お願い」 「まかせて!」  ルトはパーシーに小さく謝ってから寝所に戻っていった。今夜は、誰にも呼び出されないことを願いながら。

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