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 この先もルトはずっと獣人たちに酷使され続ける。どうにもならない想いを抱えたからと、現状が変わるわけではないのだ。  だが、自分の子を孕んだときだけはラシャドひとりが触れられる。汗ばんだ細い首筋に唇をうつし、白い肌に自分だけの印を刻む。中途半端に残る服を完全に取り払った。ルトが小さく息を詰めたのが聞こえた。  意識して優しく撫でて、ラシャドにはない柔らかな曲線をなぞる。いたるところに口づけをした。己の子を宿す下腹にも。 「あ……っ」  ルトが、望んで孕んだわけではない。泣きじゃくり逃げる身体を押さえつけ、強引に貫いて揺さぶった。一方的な交わりで孕ませたとわかっている。それでも他の獣人の手に渡るなら、ルトが孕む子はラシャドひとりだけであればいい。不可能だとわかっていても。  ルトを裸に剥いたラシャドの手が、足の付け根で項垂れる幼い性器を包んだ。どれだけ弄っても勃起しないそれを太い指先で刺激すれば、小さな裸体がびくんと跳ね上がった。 「あぁ……っ、ふ」 「ここが感じんのか? いつも勃たねぇな、お前は」 「や、さ、さわら、ないで……っ、いや…ぁっ…」  与えられる快楽に抗おうと、ルトが眉をひそめて首を振る。息を乱して喘ぐ口に、もう一度口づけた。今度は軽く触れるだけの、なだめるような口づけだ。 「そのまま、動くなよ」 「やっ、な、なにし……っ」  体内で渦巻く欲望を抑えながら、ラシャドは細い両足をひとまとめにした。混乱するルトをそのままに、両膝をぴたりと合わせて折り曲げる。鷲掴んだ腰が浮くまで、柔らかい身体を丸めた。 「な、なに……っ?」 「膝抱えてろ。手ぇ放すんじゃねぇぞ」  隙間なく合わせた膝裏をルト自身に持たせる。小さく丸めて限界まで浮かせた腰の下に、自らの膝を割りこませる。性急に、昂ぶる性器を取り出した。勃起したものを、戸惑う白い太ももの間にぬるりと潜らせる。 「ひゃ……ぁっ」 「太もも、力入れてろ」  ラシャドの男根を内腿の間に擦りつければ、明らかな混乱を浮かべ慌てて手を放そうとする。反応を見る限り初めての体位だとわかった。  いつでも自由に使える穴があるのだ。股の間に性器を差しこむ獣人はいなかったのだろう。困惑を露わにしたルトの力が緩み、重なる膝裏が離れそうになった。

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