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べしゃっと倒れる衝撃に詰めた息が押し出され、体重を支えた頭が割れるように重く疼く。ずぐずぐ動揺する痛みと圧迫感に潤む瞳を上げた。皇帝は、底冷えするほど冷徹な顏で、ルトを見下ろしている。
「余に殺されるのは覚悟の上か。つまらん。そなた、犬畜生でも身をささげる情夫でもないと言ったな。ではそなたには、楽な死よりもこちらの扱いが堪えるか?」
皇帝が歪に口角を上げる。ルトより二回り以上もある体躯を落とし、緩やかに大きな寝台へ腰をかけた。皇帝の腕が再び迫り、這いつくばるルトの黒髪を鷲掴む。ぷつんと髪の毛が抜けるほど引き上げられた。
「ぐ」
「奉仕せよ」
欲情さえしていない声音で皇帝が告げる。髪を引っ張り上げられた鼻の先には男根があった。だが皇帝は、まだ夜着をまとっている。動く気配はない。ルト自身の手で脱がせ、誘って、口に含めということだ。
ルトは泣きそうに顔を歪めて、震える指先で皇帝の夜着に手を伸ばした。
「夜着をはだけるだけだろう。手は使うな、口を使え。達者な口でな」
「ふ……っ」
拒否できない命令に唇を噛む。そして噛みしめた唇を開き、前合わせの夜着を小さな口に食んで開いた。肌触りのいい下着も、舌と歯を使って器用にずり下ろす。
露わになった皇帝の陰茎は兆しをみせる気配さえない。それでも鼻先でこすれる一物はルトの手首ほど太い。さらに皇帝の陰茎には無数の棘があった。
この性器を受け入れるのは苦痛を伴うと、身に染みて知っている。ルトを輪姦したいくつかの形のなかに、同じような男性器をもつ獣人がいた。
「ぅ……っ」
たまらず息を詰めたルトの奉仕が止まる。今からこの凶器を、口で勃起させなければいけない。怖い、嫌だ、もうしたくない。弱音を吐き出しそうになったとき、皇帝の叱責が飛んだ。
「何をしている。さっさと咥えてみせろ。其の方の本分だろう」
「う、ふっ」
泣きそうになりながら口淫を再開する。無意識に手を使って男根を握ろうとした。だがその手を鋭く払われる。手を使うなと言いたいのだ。皇帝が座る寝台の端に、行き場のない手を落とし、ルトは皇帝の股間に顔を沈めた。
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