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獣人の腕力だけで頭部を揺さぶられ、何度も小さな頭を突きあげられる。頬の粘膜で擦り飽きたら奥に先端を押し当てて、頭をぐりぐりと回された。
反射的に出た嘔吐感を堪えれば自分の唾液でむせてしまう。だが、どんなに嘔吐いても、頭を固定する力は弱まらなかった。
「んぐっ、ぇ、ンっ、ぅぐっ、ん、ンンーッッ!」
限界だ。じわりと生臭さが鼻奥に広がって余計に吐きそうになる。息継ぎさえ奪われた苦しさに、無理やり口を開けて吸いこめば、空気とともに喉へ流れる互いの体液が絡まった。
早く解放して欲しい。苦痛に歪む紫水の瞳から大粒の涙がぼろぼろと零れた。不敬も忘れ、もがく両手を皇帝の膝の置き、足元の夜着を手探りに引っ張った。
皇帝の熱い息が短く発せられる。ルトの柔らかな粘膜と舌と、ときに硬い歯まで使い、ざらつく陰茎を摩擦し続けた。抜き差しされる陰茎が上顎を擦り、小刻みに収縮する。
「一滴も漏らすな」
「ンふッ、ぅぐっ……ッ!」
皇帝の一声とともに反り返る男根が喉の内壁を激しく打った。びくんびくんとルトの舌が猛々しい陰茎の脈動を拾う。皇帝が低く呻き、大量の飛沫を注ぎこまれた。
勢い強い放出は喉の壁に阻まれて食道に流れ落ちる。喉奥を打ち逆流した精液がルトの鼻から噴き出した。
それでも小さな脈動が収まるまで解放されない。陰茎に溜まった一滴まで注がれて、ようやく皇帝の腕が離れた。にゅるりと、巨大な陰茎が口腔から取り出される。
ルトの口から出てきたとは思えない男根は、おびただしく射精してもなお勇ましく隆起する。これほど凶悪な性器を咥えていたなんて。頭部を解放され支えを失ったとたん、皇帝の足の間で四肢を脱力させ、激しくむせた。
「――かはッ、はっ、はっ、ふっ…、げふッ、ふ……っ」
「下手くそめ。余が飲めと言ったらすべて飲み干せ。閨房もまともにできんのか」
四つん這いに咽る顎先を、数本の指で上向かせられる。皇帝は息を整える時間さえ与えてくれない。ルトの丸襟を掴み、腕一本で力の入らない身体を持ち上げてきた。皇帝の膝の上に。
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