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20-(8)※※(流血表現あり)
あと数歩で寝台に上がる。直後、いきなり剛腕が伸びた。首もとの丸襟を引っ掴まれ、身体ごと引き上げられる。乱暴に投げ落とされた背中が豪華な寝台の上で弾んだ。咄嗟に目を閉じれば、伸しかかる太い腕が薄布一枚を無遠慮に引き裂いた。
「……っ」
息を詰めて大きな影を見上げる。皇帝が喉奥を低く鳴らして覆いかぶさってきた。ほの暗い殿内で金色に浮かぶ両の瞳は、間近で見れば焦点があっていない。
目の前のルトの存在など映しておらず、ここではないどこか遠い場所を眺める。彼方かなたの空間を見据えた皇帝が、硬直する白い首筋にかぶりついた。
「い……っ」
皇帝は獣ではない。なのに噛みつく皮膚を食い破られた感触がする。鋭い牙を血脈まで突き刺して、無防備な首元の動脈を掻き切ろうとするのだ。ルトの滾る血液がどくどくと、首元に集まってくる。
生肉を引き裂く牙が体内にめりこむ感覚に、細い首筋に汗が伝った。いや、もしかしたら汗ではなく真っ赤な鮮血だったかも。
どろりと、生ぬるい体液が首元を流れ落ちたとき、ようやく皇帝が動いた。突き刺した牙を抜き、唸りながらルトの身体をうつぶせにする。ものすごい力で背後から後頭部を掴まれて、寝台に押しつけられた。
「ぅ……ッ」
ルトが小さく呻いても皇帝の力は強まるのみ。掴む頭部にあたる感触は、爪だろうか。鋭利な刃物を押し当てられていると錯覚した。
皇帝がルトの身体を持ち上げれば、今度は鋭い爪が皮膚を破る。やせ細った白い肌に、玉のような血球が盛り上がった。皇帝の爪で、背中を一直線に切り裂かれる。薄い、柔らかな皮膚を切り刻まれた痛みに、ルトの身体がびくびくとのたうった。
「ぅ…ッ、……ッッ」
血管を怒張させた片腕一本で、後頭部を押さえこまれる。再び寝台に押しつけられた肉体は、うめき声さえも黙殺された。ルトの肌をいたぶる皇帝の腕がさらに下がり、怯えるルトの尻の割れ目に添えられる。
鋭利な爪が白い皮膚に食いこみ、尻肉を割り裂く。と、滾る皇帝の逸物が強引に押し入ってきた。
「ィあッ、ぃ、あ…ッ、あぃ、いひ……ッ」
慎ましく閉じるルトの肉輪が、血をしたたらせ怒張を飲みこんでいく。狭い内臓を歪な凶器で削いでえぐられ、太い杭で焼かれる感覚がした。皇帝の凶悪な陰茎がルトの肉道を通るたびに、体内が破裂しそうなほどうぬうぬと膨張する。
「ぅ…ッ、ぐぅ……っ」
一気に押し入る逸物に内臓が押し上げられて、胃の中が逆流しそうだ。だが寝台に埋めこまれた顔面は嘔吐さえできない。ただくぐもった音を出すだけ。
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