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ジェヒューは最後の一突きにかかる。渾身の力でルトの腰を引き寄せて、怒張する男根を根元まで突き刺した。硬質な骨が当たる鈍い衝撃にルトの震える陰茎からぴゅっと白濁が飛んだ。
「ぅごぁ……ッッ!」
「へへっ、次は俺だ。たっぷり出してやるぜぇッ! あー、いいな、こいつぁ、いい。腹ン中がうねってらぁ、アバズレめ。俺のブツに吸いついて、そんなに子種が欲しいか、あ? ひごひご啼きやがって、雌豚だな」
「あぅぅ、ひぃ、ひぐッ。く、苦し、いぃッ」
背を逸らして喘ぐルトの腹が、ジェヒューの男根を浮き上がらせる。巨大な陰茎がどくどくと怒張し、ルトの薄い皮膚を揺らした。深く突き入れられた腹の奥で濁流が荒波のように押し寄せてきた。
息も絶え絶えな紫水の瞳が苦しさに潤み、ルトの白い表情が苦痛に歪む。悲痛な声を上げた顔は飛び散る涙と汗と、奥から出た鼻水と、垂れ流す唾液でぬちょぬちょになった。
放置された上半身だけが寝台に伏し、震える両腕は乱れたシーツを手繰り寄せる。皮膚の下で膨張する男根が小刻みに脈動し、下腹の一部だけがいびつに突出したのが伏せた視界に見えた。
「ぅはっ、ハっ、ふっ、うぅ、うぅっ、うぅ……っ」
「そんな物欲しそうにひくつかせても、もう出ねぇっつの。気に入ったぜ。明日からたっぷり注いでやる」
ジェヒューは力を失くしたルトをようやく解放する。あり余る腕力で持ちあげられた尻がどさりと落下した。寝台に激しく腹を打ちつければ、流れる血と大量の精液がびちゃびちゃと飛び散る。指一本、動かす力さえ残っていなかった。
悲惨な光景だというのに複数の魔術師が平然とやってきた。
「間違いなく。あなたの子種で核種胎の増幅を確認しました。これから改めて、陛下にご報告を差し上げましょう」
「へっ、穴の具合だけは一丁前だ。いい拾いもんをしたぜ。これを毎日泊まりこみで使えんのか。楽しみったらねぇや」
薄れゆく意識でルトは絶望の音を聞く。しかし意識を飛ばせたのは数分だけだ。ぐちゃぐちゃになったルトは、ジェヒューと会話を終えた魔術師に叩き起こされた。
「おい起きろ。ここで寝るな、身体を洗って、お前は今から待機場に行け。陛下が新たな宮殿をお与えになるまでそこで待て」
あちこち引き攣れるように痛む身体に鞭打ち、力が入らない腕を踏ん張って起き上がる。見下ろす魔術師に顎で促され、ジャラジャラと鎖を引きずり這うように丸見えの浴室に向かった。
もはや中の奥まで洗い流す気もしない。腹圧をかけて下がってきた子種だけを出し終え、五分と経たず湯を浴びて戻る。ルトの姿を認めた魔術師が、ひとりだけ近寄った。
「ひとまず身体を見せろ、後ろの傷を治す。孕み腹の宮殿への移動はその後だ。服を着ろ」
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