19 / 39
第19話
「……ソーマ?」
困惑した目が俺を覗き込む。
当然だ。ドイツ軍の英雄・空の守護者に、パイロットは務まらないだなんて言ったのだから。けれど……
「俺が掛け合うのは軍関係者です。なので、手配できるのは軍用機になります。大佐が操縦していたのは、ドイツ製のフォッカーDⅦですよね。ニホン軍の機体は隼です。隼は癖の強い機体です。だから……」
だから…………
「大佐には俺が必要です」
フゥゥっと息を吐き出した。
この思いを伝えるために。
「俺が大佐のパイロットになります」
ともだちにシェアしよう!