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番契約
息が続かない。仰け反って争っても快感は強くなるばかりだ。
首の後ろは熱い。
放てば熱が収まるはずなのに、余計に熱は上がる。
桐生は手を離すと自分のズボンの前を開いて興奮に激ったものを取り出した。
薄暗い中でもそれは見えている。
それを突き入れてほしいと身体がズクンと疼いた。
起き上がって、それを手に取った。緩く擦り上げて、口をつける。
苦味のある体液が口の中に広がるが、それは甘く変わる。
身体の中に起こる欲求が強くなって、えづくほど呑み込む。
桐生の手が首に触れると余計に熱くなる。桐生の指が首輪の繋ぎ目にかかる。
鍵がなければ外れないそれを桐生が両手で引きちぎろうとしている。
擦れて痛みが出るが、それも首の刺激へと変わる。
熱い。
桐生っ、桐生が欲しいっ。
ドクンッ、ドクンッと首から熱が身体中に広がる。
「うわぁッ……あっひぃ……」
桐生が首輪を引いて、起きあがらせたと同時にうつ伏せに突き倒された。
腰を持ち上げられたと同時に、桐生が一気にそれを突き入れた。
痛みは感じなかった。
今まで感じたことない衝撃と、腹の中を抉られるような感覚に恐怖を感じた。
「ううっ……んっうぉ」
ぐっと押されてうめき声が上がる。
快感に喘ぐ声とは違う色気のない声が上がる。
だけど桐生は気にする様子もなく、腰を打ち付ける。
恐怖に心が冷めるが、身体は歓喜に震えて、快感を拾う。
桐生が覆いかぶさるようにして首に噛み付いた。
ガチガチと首輪を噛む音が耳のそばで聞こえる。
「ああっ、あっ」
『カシャン』
床に何かが落ちる音がした。それは四つん這いになっている僕の目の前の床に落ちたからすぐに分かった。
首輪が落ちている。
「うわっ……ああっ」
桐生が一層激しく中を穿って、首に噛み付いた。
快感が一層強くなって咽せ返るほどの甘い香りが広がった。
「っうう」
桐生が息を詰めるのが分かった。
怖い。
暴力にも近いセックス。
言葉を交わすこともなく、床に組み敷かれて首に噛みつかれている。
「ああっ……んあっああっ」
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