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辻褄合わせ

 甘い痺れが広がって溢れ出す。  さっきまで感じていた恐怖なんて微塵も感じない。  甘く痺れるような感覚が広がって、甘い香りが溢れ続ける。 「んあっ……」  唇は口づけから顎を通って首に口付けて胸に降りる。優しく焦ったい。  胸の突起を舌と唇で刺激されると身を捩って甘えた嬌声をあげる。  片方の手は繋いだままだ。放された手が両足を割って、その奥に這わされる。 「はっ……んぁ」  恐怖を感じないと快感だけを感じる。感じると溢れ出す蜜がグジュグジュと音を立てる。 「ああっ、……んっあ」  指はすぐに増やされて、中で動かされるとその指を締め付ける。何かをかすめて、身体が跳ねた。 「あっ、ああっ、そこ、ダメェ」  指がそこに触れると触られてもいない前から透明の体液が溢れる。  何度も擦り上げられて、悲鳴にも似た嬌声が部屋中に広がる。  指を抜かれると、もっと刺激が欲しいと腰が勝手に動いてしまう。 「ああつ、もっと、奥に……欲しい」  指では届かない奥が疼く。ドロドロと溢れる蜜がシーツを濡らす。  熱くて熱くてたまらない。腰揺れて、繋いだままの手に力が篭る。 「ああ、いいよ」  掠れた甘い声に身震いする。 「名前、名前呼びたい」  耳元で甘えるように言われて、「ひ、ひな、た」と答えた。 「ひなた。ひなた、俺の可愛い運命」  蕾に擦り付けられたそれを欲しがって腰を揺らす。 「ああっああっ、もうっ早くっ」  グジュっと音を立てて中に入ってくる。抵抗もない、ずずっと奥まで入ってくる。 「あっああ……はっ」  奥を突き上げられると快感にのけぞる。甘い香りが溢れ出す。  奥まで突き上げて、「ひなたわかる?」と言われて何かわからず首を振った。 「ほら、奥まで届いてるだろう?」  荒い息に掠れた声で言われてこくこくと頷く。持ち上げられた両足が突き上げられるたびに揺れて、中を擦るそれに振動を与えて、刺激に変わる。 「ああっ、そこ、だめっぇ」  奥を穿ってさらにぐりぐりと押し付けられると、快感に悲鳴をあげる。 「ほら、俺に吸い付いてくる」  意地悪くそこばかりをぐりぐりと刺激されて、嬌声を上げながら仰反る。繋いだ手をさらに強く握りしめる。 「ああ、もうっ」  イキそうだと訴えて、握りしめた手を引き寄せる。両手でその手を握ると、「ああ、いいよ」と促して、腰を大きく引かれて、また奥へと強く押し込まれた。 「ひっああっ……ああっ……」  胸の上に握りしめたまま声にならない悲鳴をあげる。和人が息を詰めるのが分かった。最奥を突かれて、そこに強く吐き出されるのを感じてさらに上り詰める。

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