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2_めろめろ
リョウちゃんのことを好きなのは、多分リョウちゃんには伝わっている。
のらりくらりとかわされて、はっきりとした答えに辿りつかないまま、ずーーーーっと。
リョウちゃんは男だけど、とても線の細い、清楚な子だ。
大学生で、家庭教師してるんだって。そういうの好きだ。
1年半くらい前、クラブのバーで、男女4人くらい(みんな学生のお友達だったんだと思う)で喋ってるリョウちゃんからあまりにも目が離せなくて、我慢できずに話しかけた。
「ねえ」
「…は?え、俺ですか?」
「うん、そう。君。何歳?」
「ハタチです」
「そうなんだ」
周りのお友達がへんてこな空気感になって、リョウちゃんもどうしていいのか分からない、みたいな顔だった。
とりあえず、リョウちゃんの顔を見ながら、両腕を広げた。
そしたら、ドン引きするお友達。
でも、リョウちゃんは広げた両腕と対になるみたいに腕を広げて、俺の手を繋いだ。
「…これで合ってるのかな」
「合ってる合ってる。やばいね!なんていうの?名前」
「うえはらりょうです」
「連絡先教えて」
「…んー…悪い人じゃないですか?」
「悪い人じゃないよ」
「…じゃあ、いいですよ」
スマホを振って、交信。
『上原 綾』
「これでリョウって読むんだ」
「そうです。女の子っぽいから、よく間違って読まれます。…えーっと、こうべだいすけさん」
「ぶー。神戸って書いて、かなと、って読むんだよ。俺も間違って読まれる。一緒だね」
リョウちゃんはそのとき初めて笑った。
めっちゃかわいい顔だった。
「あっちでもうちょい飲まない?」
「はい、飲みたいです」
リョウちゃんはお友達に「じゃあまた明日」ってサラッと言って、俺のほうについてきた。
そのただならぬ色気と清楚さのバランスに、俺はもう、打ちのめされてしまったのだった。
夜になると、リョウちゃんはたまに獣みたいになる。月の満ち引きに関係とかあんの?って訊きたい。生理みたいななんか、あんの?とか言って
そんなん言ったら、当分ガン無視されそう。
今正にリョウちゃんは獣みたいになっていて、俺はいすに深く腰をかけている。脚を開いて
「大佑、まじで脚やばい、うううう」
脚にしがみついて、清楚レベル、-5000000000
足先から付け根まで、くまなく舌が這う。
こんなことするくせに、挿れようとも挿れられようともしない。リョウちゃん曰く、これは性交渉ではないそうだ。
可愛すぎる獣を、脚で抱え込んだ。
唸るように、めろめろに感じまくってるリョウちゃん、俺はほんと、どうにかしてやりたくて、いつもうずうずしてしまう。
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